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痩せ体型は認知症や糖尿病のリスクも

ーー病気による死亡率や平均余命のほかに、どんなデメリットがありますか?

その他のデメリットとしては、身体の栄養状態の低下にともない、筋肉・骨・そのほか身体のあらゆる仕組みに不具合が起こることです。

通常、筋肉を合成するときに細胞から「イリシン」という物質が分泌されます。イリシンは脳を活性化する働きがある大切な物質ですが、痩せ体型は筋肉量が少ないため、分泌されにくい。結果的に脳活性へ支障をきたし、認知症発症リスク上昇が考えられます。

また、筋肉量が少ない場合、血糖値の調整がうまくできず、糖尿病発症リスクが上昇することもわかっています。糖尿病は、体内の血糖をうまくコントロールできません。そのため高血糖状態が続くと血管を傷つけたり、硬化・狭窄などを引き起こし、心血管疾患を発症したりするリスクが高くなります。

ーー痩せ体型は、命に関わるデメリットが多いですね。

そうですね。痩せ体型は、体を守る機能が低下しているため、一度体調が悪くなると症状が悪化しやすい傾向にあります。

今までは肥満のリスクに注目が集まっていましたが、最近の調査結果を見ると、肥満よりも痩せすぎの方が危ないという報告が増えています。BMI18.5未満の方は健康的なデメリットが多いため、対策が必要です。


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