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歌舞伎町で生き抜く上海料理店は刺激的、でも温かい



ちなみに、「上海小吃」が誕生した1994年の歌舞伎町といえば、今よりも遥かに治安が悪く、危険度が高かった。

「もうひどかったよ(笑)!」と、レイコさんは目を大きく見開きながらいう。

「最初のころは、『青龍刀事件(1994年)』があったりして大変だったよ。ほかにも本当に危ないことだらけ。歌舞伎町がこんなに危ない街だって知っていたら、私ここで働いてないよ(笑)!」。

ことの詳細が気になり、突っ込もうとするも「だめだめ! 話したら私がどうなるかわからない! ドラマになっちゃうよ(笑)」と、豪快に笑いながら煙に巻く。

30年間、お店の出入り口に立っている童男童女の人形。レイコさんいわく、お店の守り神だ。

30年間、お店の出入り口に立っている童男童女の人形。レイコさんいわく、お店の守り神だ。


ともあれ、客とのたくさんの出会いがあり、交流が生まれ、ずっと続いていることが何よりうれしいという。

「例えば、学生時代にはじめて来た子が、会社員になって同僚を連れてきたり、今度はその同僚が恋人を連れてきて、そのあと結婚して、数年後に子供を連れて家族で来てくれたりして。

このお店が縁で生まれる関係は、すごくありがたい。久しぶりに会うと私も元気をもらえる。私にとってそういう人たちは、みんなが家族であり子供みたいなもの。お客さんのおかげで、このお店は支えられている。これからも、家族のようなお店であり続けたい」。

歌舞伎町のど真ん中にある中国料理店は、ほかのどのお店よりも刺激的で、何より温かいのだ。
上海小吃(シャンハイシャオツウ)
この看板を目印に路地へ入れば、お店に辿り着ける。

この看板を目印に路地へ入れば、お店に辿り着ける。


住所:東京都新宿区歌舞伎町1-3-10

電話:03-3232-5909
営業:17:00~5:00 、日・祝は2:00まで
shanghai-xiaochi.com


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