Q.仕事を辞めることに、怖さや後ろめたさはありませんでしたか?
「仕事を続けることの方が怖かったです」
大学を退職することを決めた時、新しい会社に転職することも考えられませんでした。だけど、社会に絶望したかというと、そうではありません。退職後はニートを自称しながら、働くことに対する違和感をブログに書くようになり、インターネットで出会った人たちと遊ぶようになりました。
2007年当時、ネットの世界は「しのごの言わずに働け」と言われていた現実とは違い、自分と似ているダメそうな人がいっぱいいた。現実社会には自分の居場所がなかったけど、ネットでは仲間がつくれて、その輪が広がっていったんです。仲間ができることで、こういう生き方もありじゃないかと自信が持てて、自分の世界が少し開けた気がしました。
ひたすら文章を書いたり、独学でプログラミングをしたり、シェアハウスを作ったり。別に誰に頼まれたわけでもなく、みんなやらなくてもいいことを勝手にやっているという、当時のネットの周りの自由な空気感がすごく好きでした。お金を稼いでいなくても働いていなくても、とにかく楽しかったですね。
4/7