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【愛されポイント③】

叱ってくれる先輩こそ、大切にする!



編集部 岡野さんに怒られたことはないんですか?

酒井 ありますよ。岡野さんはちゃんと怒ってくれます。過去2回、本気で怒られましたね。

岡野 何だっけ?

酒井 ネックピローと馬券の話です(笑)。

岡野 あぁ、あれね(笑)。酒井って、まわりに影響されやすいんですよ。調子に乗りやすい“生き物”なんです。たとえば、テレビで売れたと思ったら急にサングラスをかけだしたり、移動中にネックピローを使いだしたり。

酒井 たしかに、図に乗ってしまうところは気をつけないと。



岡野 ネックピローを使うこと自体はいいんですよ。芸人は移動が多いんで。でも、こいつは、100メートルを移動するだけでも使うんです。しかも、遅刻してきた日に。

寝坊してきた人間が、「また寝よー!」って思ってるわけです。さすがに怒りましたね。

酒井 恵比寿の駐車場で3時間、しこたま説教されました。雨に打たれながら、持ってたネックピローを「いますぐ捨てろ!」って。それからは、もうやめました。



編集部 もうひとつの馬券の話というのは?

岡野 いいよ、その話はしなくて……(笑)。

酒井 「馬券の買い目が広すぎる」って、夜の8時から深夜3時までずっと怒られました。

岡野 酒井は、楽しくない買い方をするんですよ。大声で「キタ〜! 当たった!」って喜んでると思って馬券を見たら、勝ったのはたった100円だったりするんです。

芸人なんだから、ほかから見てワクワクするような“格好いい買い方”をしろって言ったんです。100円を勝って喜んでる芸人の姿なんて見てられないぞと。

酒井 それもそうなんですけど、岡野さんって怒ると長いんですよ……。

岡野 ほら、また最低なこと言ってるでしょ? そのときも「怒ると長い。もう許してくださいよ〜」って泣き出したんですよ。こっちは芸人としてのあり方を言っているのに。

怒りポイントが増えて、このときはみっちり説教しましたね。

教訓:怒られたら反論するくらいのメンタルを持て!

長時間の説教も独自のスタイルで乗り越える、強いメンタルを持つ酒井さん。岡野さんとしても、そんな彼だからこそ「ダメなことはダメ」としっかり叱れるようだ。

反省はしても、変にヘコまず、自分の意見も言えるくらいがお互いに心地良いのかもしれない。


次回は、「頑張っても報われない」という酒井さんが密かに狙う、芸人としての“ハルウララ”についてふたりが談義する。

▶︎後編:理想は“負けすぎて愛された競走馬ハルウララ”

佐藤ゆたか=写真 ぎぎまき=取材・文

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