トリビア④ イタリアでは、パスタにスプーンを使うのは子供だけ!
日本に来て未だに驚いているのは、スプーンとフォークの使い方だ。フォークでパスタを巻きながらスプーンを使うのは、イタリアの食マナーとしては大きなミスになる。そもそも、スプーンは基本的には使わない。手元のおぼつかない子供は使うこともあるが、日本で子供が使っている持ち方の矯正箸のような感覚だ。
食べ終わって残ったソースをスプーンで掬い取るのはまだわかるけど、実はこれもアウトだ。パスタをフォークで巻いて食べるときに、ソースと一緒に巻き取ることで食べ終わるまでにソースがほぼなくなるのが理想だ。
とは言いつつも、日本にいるとそんなことはどうでもよくなってくる。イタリア社会にいるときは当たり前だったことでも、海外生活をしてみると「きれいに最後まで残さず食べられたら、それでいいじゃないか」と、結果オーライに思えてくるのだ。
これは沖縄へ行ったときに食べた沖縄そば。
日本でイタリア料理が広がったように、今やイタリアでも日本の“麺文化”が少しずつ普及している。イタリア国内でも日本人によって作られるうどんや蕎麦、きしめんを食べられる時代がやっと来たのだ。
イタリア人にとって、「麺をつけて食べる」「スープにロングパスタ」「パスタに醤油とわさび」などは頭にない食べ方だった。それを日本の食文化、パスタ仲間として楽しく受け入れている。僕もいつの間にか、日本のうどんや蕎麦などを楽しく食べる日が多くなっている。
小麦粉と水を使うだけで、イタリアと日本は最高の仲間になれるなんてうれしい。イタリア人として日本のパスタをより美味しく感じることもあるから、スパゲッティは新しい恋の「赤い糸」になりかけているかも。
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