往年の名作コンパクトカーが電気自動車となって続々と復活している。
もちろん、小手先のレトロ調カスタムなどではなく、しっかり旧車の魅力を咀嚼した上で現代的再解釈が加えられ、自動運転レベル2やAI、洗練された装備など、オリジナルな魅力も装備して。
ルノー「サンク(5)」とランチア「イプシロン」。一部のファンから絶大な支持を得ていた2台が、最先端技術で復活したコンパクトカーを見てみよう。
【写真13点】EVで復活した「サンク」と「イプシロン」を写真でチェック 50年の時を経て戻ってきたルノー サンク
「ルノー5 E-TECHエレクトリック」。初代サンクのボンネットにあったベントグリル(エンジンを冷却させるための通風口)は、充電インジケーターとして再デザインされている。
1972年登場の初代サンクを知っている人なら「あ、サンクのオマージュね」と一目で分かる、ポップな見た目。
約50年の時を経て「ルノー5 E-TECHエレクトリック」という名前で、我々の目の前に帰ってきた。
初代サンクの特徴のひとつであった縦に長いリアランプも採用された。
メーカー自ら“お茶目なキャラクター”とするこの電気自動車(BEV)には、お茶目さをさらに強調できるように、104種類ものアクセサリーが既に用意されている。
3Dプリンターを使用して揃えているというから、今後もどんどんアイテムが増えていくかもしれない。
10.1インチのマルチメディア・タッチスクリーンを搭載。50以上のアプリが使える。
一方で、高速道路ではステアリング操作や加減速、ストップ&ゴーまですべて車が行ってくれる自動運転レベル2機能を搭載するなど、中身は最先端。
しかも、チャットGPTと統合されているアバター「リノ」が、「暑い」「あそこに行きたい」「音楽をかけて」といったドライバーの言葉を理解し、かなえてくれる。
フランスのバスケット職人マルグリット・エルランがプロトタイプを製作したという、籐で編まれた専用のバスケットが用意されているのも、サンクらしいお茶目さ。
楽しいドライブのためにも、車内の音環境はしっかり設計されている。
監修したのはフランスを代表するエレクトロ・ミュージックのパイオニア、ジャン・ミッシェル・ジャール氏で、彼はまた、本来無音の電気自動車がいつの間にか歩行者に近づいてびっくりさせないように、接近を知らせる サウンドも “作曲”しているそうだ。
リップスティックのような形をしたフランス国旗の部分がシフトレバーの先端。この“リップスティック”は別のデザインも選べる。
そんな“お茶目”で“出来る子”になった最新型サンクは、1回の充電で最大400km走れる。
価格は約2万5000ユーロ(約400万円)。フランスでは今年9月に販売が開始されるようだ。この“お茶目な出来る子”は、日本でも絶対ヒットすると思うのだが、ルノーさんのお考えは如何に!?
1972年に登場した初代サンク。実は1974年には航続距離110kmの電気自動車も作られたことがある。
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