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カッシーナと組んだランチア イプシロン

ランチア「イプシロン エディツィオーネ リミタータ カッシーナ」。ランチアの創業年にちなみ1906台限定で販売される。

ランチア「イプシロン エディツィオーネ リミタータ カッシーナ」。ランチアの創業年にちなみ1906台限定で販売される。


1994年に現れたランチア「イプシロン」は、本国イタリアでは大人気になったコンパクトカー。しかし日本ではディーラー数が少ないことと、アクの強いフロントマスクが影響したのか、本国のような大ヒットはしなかった。

けれど、この生まれ変わったイプシロン、初代から数えて4代目は、なんとも日本人にもウケそうな見た目じゃないか!

丸型のテールランプは、同社の名車のひとつ「ランチア ストラトス」をイメージ

丸型のテールランプは、同社の名車のひとつ「ランチア ストラトス」をイメージ


自動運転レベル2の機能を標準装備し、1回の充電で最大403km走れる電気自動車(BEV)となった4代目。

しかも、4代目として初めて披露されたのは限定車の「エディツィオーネ リミタータ カッシーナ」、つまりカッシーナとともにランチアが至れり尽くせりの贅沢を奢った限定車なのだ。

ランチアの伝統を象徴する「ランチアブルー」がインテリアに採用されている。

ランチアの伝統を象徴する「ランチアブルー」がインテリアに採用されている。


カッシーナといえば誰もが知るイタリアの高級家具メーカー。ランチアもまた、イタリアの高級車メーカーであり、両者で母国イタリアの“精神、快適性、伝統の再解釈” を表現している。

初代イプシロンから貫いている“プレミアムコンパクト”とはなんぞや!?を示すかのように、“居心地のいいイタリアのリビングルーム”を再現したのだとか。

カネロニ(パスタの一種)をモチーフにしたベルベットのシート地。

カネロニ(パスタの一種)をモチーフにしたベルベットのシート。


その象徴が、カッシーナ製のタボリーノ(小さなテーブル)だ。

バイオ素材由来のプラスチックとサドルレザーで作られたこのタボリーノは、車内をリビングルームのような雰囲気にしてくれるだけでなく、スマートフォンを置けばワイヤレスで充電してくれる。

カッシーナ製のタボリーノ。1906台限定を示すシリアルナンバーが入る。

カッシーナ製のタボリーノ。1906台限定を示すシリアルナンバーが入る。


さらに車内の音楽、空気、光をその時の気分に応じて自在に変えることができる「S.A.L.A.インフォテインメント・システム」によって、「我が家にいるかのように感じる」ことができるとしている。

ちなみに「S.A.L.A.」は「Sound Air Light Augmentation」の略だが、イタリア語で「SALA」は「リビングルーム」を意味するそうだ。

他にもボンネット上の「LANCIA」のオリジナルフォントや、手書き風のYpsilon(イプシロン)など、隅々にまでこだわりに満ちたプレミアムコンパクトの4代目。

小さいとはいえ、約4万ユーロ(約650万円)という価格に見合う内容と言えるだろう。 

1994年に登場した初代「イプシロン」。ギリシア語の「Y」と書いて「イプシロン」と読む。

1994年に登場した初代「イプシロン」。ギリシャ語の「Y」と書いて「イプシロン」と読む。


このカッシーナ限定車の後に4代目イプシロンも発売されるだろうし、マイルドハイブリッドシステム搭載車も出るのでは?という噂もある。

果たして日本にはやってくるのか? 少なくとも同社は顧客対象を「40歳〜45歳」としているだけに、オーシャンズ 世代としても目が離せない。

籠島康弘=文

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