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名店① 映画のようなロケーションもご馳走「中華そば すする」

最初は、優良店として観光客はもちろん地元の人々からも高い支持を獲得する「中華そば すする」。



開業は2019年7月。ロケーションは、元町港から徒歩10分程度。海から続く坂道を上る途中に平屋建ての店舗が静かに佇むサマは、周りの風景も含め、映画のワンシーンに出てきそうなほど情緒的。

ラーメンの食べ歩き経験を重ねてきた私でさえ、垣根越しに「中華そば すする」の看板を完全に視認できるまで、このような場所にラーメン店があることが信じられなかったほどだ。



そんな同店が提供するレギュラー麺メニューは、「中華そば」「塩中華そば」「油そば」「つけ麺」の4種類。いずれの品も、店主独自のギミックが随所に散りばめられ、創作性豊か。牧歌的な外観とは裏腹に、ラーメンの内容は、都心部に引けを取らないほど本格的だ。

私が注文したのは、これらの品々の中でも水準が高いと評判の「塩中華そば」。



地場産の新鮮な魚介を惜しげもなく用いたスープは、すすり上げた瞬間、海の幸の芳醇な香りと華やかなうま味が口いっぱいに拡がる。出汁感に満ち溢れた仕上がりだ。

上質な甘みが深い印象を刻む塩ダレと、酸味が清冽なスライスレモンが奏でるハーモニーも、食べ手を恍惚の境地へと導く。トッピングのカイワレ・白髪ネギ・揚げニンニクも、各々の持ち場で、食味にメリハリを与える役割を見事に演じ切る。



すすり心地滑らかな中細麺とスープとの相性も良好で、無我夢中で食べ進めるうちに、気が付けば完食。「日常食としてのラーメン」を目指し、生まれ育った大島で随時ブラッシュアップを試みながら、真摯にラーメンづくりに励む店主。

同地のラーメン店の中では新参の部類に属するが、営業時間中は常に満席状態である。ラーメン好きなら、万難を排してでも足を運んでもらいたい優良店だ。
中華そば すする
住所:東京都大島町元町2-2
営業:11:00〜13:30LO/18:00〜19:30LO 水曜、第3木曜定休
X:@lp4EZxholvxRsex


3/5

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