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発症したら、パートナーと一緒に検査を



――パートナーと性行為をしていないのに感染したら、浮気の証拠になりますかね?

たしかに性行為をせずに相手が発症したなら、他の人と性的関係を持った証拠になる可能性はあります。

ただ先ほども話したように、梅毒には潜伏期間があるので、気がつかないうちにパートナーに感染させている可能性があるので、早めに2人で受診しましょう。

――どの医療機関に相談するといいのでしょう?

男性であれば泌尿器科、女性であれば婦人科、皮膚に症状があれば皮膚科ですが、できれば当クリニックのように性感染症に詳しい専門の医療機関の受診をおすすめします。

というのは、梅毒は「偽装の達人」と呼ばれるほど、多彩な症状があるので性感染症に専門の医療機関のほうが早期発見・早期治療ができるからです。たとえば、慣れていない医師は口腔内や肛門を診察しないことがあり、初期症状を見逃してしまうことがあるのです。

――梅毒の検査方法は?

梅毒は、血液検査で判定します。血液検査は、TP(梅毒定性抗体検査)と RPR(非トレポネーマ脂質検査)の2種類です。梅毒に以前感染していたことや、梅毒以外でも陽性反応が出ることがあるので、感染6週間後にこの2つの検査を受けるほうが正確な診断を受けることができます。

梅毒とHIVは感染経路が似ているため、梅毒とHIVに同時感染していることもあります。梅毒の検査とともにHIVの検査も受けておくと安心です。

――梅毒に感染したとき、パートナーに秘密で治療を受けることはできるの?

先ほども話したようにパートナーにバレることを恐れて、自分だけ治療するのはNGです。

感染した場合、もしくは感染の恐れがある場合は、パートナーと一緒に必ず検査を受けてください。もし、パートナーが梅毒に感染していることを知らずに妊娠すると、母子感染率は60〜80%と高く、低体重や難聴、視覚異常、知的障害だけでなく、流産や死産することがあるからです。

妊娠中に梅毒の治療薬を服用したとしても約14%は母子感染するといわれるほど、次世代にも影響する恐ろしい病気なのです。

妊娠したいと考えている人は、妊娠前にパートナーと一緒に梅毒とHIV検査を受け、2人が共に、性感染症にならないように気をつけることが大切です。


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