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梅毒は痛みもかゆみもなく、数週間で症状が消える「偽装の達人」

感染3カ月後に現れることが多い咽頭粘膜斑。蝶々が羽を広げたように見える。

感染3カ月後に現れることが多い咽頭粘膜斑。蝶々が羽を広げたように見える。


第2期の乾癬 写真協力:尾上泰彦先生

第2期の乾癬(写真協力:尾上泰彦先生)


――感染するとどんな症状が現れるんですか?

梅毒はいくつもの感染ステージがあり、自然に治癒することはほとんどありません。

感染後3週間ほどの第1期の症状は、性器や肛門などにイボ状の腫瘍やただれ、リンパ節の腫れなどが現れます。感染後3カ月以上経過した第2期は、乾癬やバラの模様のような発疹、脱毛といった症状が現れます。性器以外にも口唇、口腔内、舌、乳頭、乳輪などにも発症します。

この病気が恐ろしいのは、初期のステージは数週間から数カ月で症状が消えていくことと、症状が出ても痛みや発熱、かゆみなどがないことです。中には、全く症状が出ないというケースもあります。

梅毒は症状が現れればラッキーで、症状が現れなければ治療も検査もできないのでアンラッキーだということを覚えておいてほしいのです。また、症状がない期間も、人に感染する力も強いので要注意です。

――梅毒を放置するとどうなるんですか?

3年以上放置した第3期では、皮膚や筋肉、内臓などにゴムのような弾力のある腫瘍ができ、増殖しながら体の組織を壊していきます。10年以上放置すると、脳や神経、血管などに症状が現れ動脈瘤ができ破裂するなど、最悪の場合、死に至るということがあります。

ほどんどの場合、早期に治療しているので最悪になることは稀ですが。


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