連載「イタリア人マッシのブオーノ・ニッポン!」とは…… 今日3月16日から北陸新幹線が敦賀まで開通し、北陸応援割も始まった。能登半島地震の復興はまだ道半ばだが、今後金沢をはじめ、北陸に行く人は増えそうだ。
北陸といえば、外せないのが新鮮でクオリティの高い海鮮。今回は、金沢在住7年のイタリア人マッシさんが唸った、コスパの良い絶品海鮮料理店を3店紹介する。
▶︎すべての写真を見る 案内人はこの方! マッシミリアーノ・スガイ●1983年生まれ、日本食が大好きなイタリア人フードライター。 KADOKAWAよりフードエッセイ『イタリア人マッシがぶっとんだ、日本の神グルメ』を出版。 日伊文化の違いの面白さ、日本食の魅力、食の美味しいアレンジなどをイタリア人の目線で発信中。
観光地だけど疲れない、グルメな街・金沢
海のない北イタリア・ピエモンテ州生まれで、2017年から金沢市民になった僕は、昔に比べて海の魅力と魚料理の新世界が広がった。
石川県に住んでいるうちに食文化、歴史、伝統だけではなく地元の人々の助け合いと心の深さが自分の胸に刻まれ続けてきた結果、ここが第二の故郷になった。
金沢ではまったりと過ごせる。自然に囲まれているのも大事なポイントだけど、街中では町屋で営むヨーロッパ風のカフェ、洋菓子と和菓子の豊富さ、美味しいジェラート、レベルの高いベーカリーなどのお店が多い。現在の僕は、イタリアに帰らなくても毎日ワクワクしながら美味しいものを食べて暮らしている。
観光地の通りから一本道を外れると、現実とは思えない雰囲気が漂う街並みが現れる。そこは、素敵なお店と世界一美味しいものと出合える場所なのだ。初めて金沢に来た人も数時間滞在をすれば物語の中にいるような気分になる。金沢在住7年の僕は、未だに物語の一員だと感じている。
金沢の魅力は、都会のように何でもあること、暮らしやすいコンパクトな面積と多くはない人口。観光地だから県内にいるだけでも旅行は充分に楽しめるし、何といっても温厚な人柄が最大の魅力だろう。最高に日本のアモーレを感じられる。
イタリア人の観光客も石川県を楽しんでいる。「本当の日本にやっと会えた」「ここなら住んでみたい」「言葉が通じなくてもコミュニケーションを取れるのが不思議で、日本がますます好きになる」というような言葉は何度も耳に入った。
そんな石川大好きイタリア人である僕が、金沢で最高のコスパで楽しめる海鮮のお店を紹介しようと思う。地元の人もいつも喜んでいるように、観光中のあなたにとっても最高の思い出になるはず。
美味しいお店がたくさんあって絞るのが難しいけど、今回はよく食べに行く、空間から料理まで大満足できる3店舗を選んだ。
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