筋肉痛のリカバリーポイント① 糖分をしっかり摂取する
ーー30〜40代男性が頑張って運動して、筋肉痛が出た場合はどのような対処法がありますか? 1つは「エネルギー」の摂取です。つまり、食べ物によって筋肉痛はかなり軽減されます。ご飯などの炭水化物は、筋肉や肝臓に「グリコーゲン」というエネルギーの形で貯蔵されます。
グリコーゲンが枯渇すると、筋肉痛の原因である筋損傷の回復が遅れるため、糖質をしっかり取り入れることがリカバリーにおいては重要だということです。
また、糖質は「低GI食品」と「高GI食品」の2種類に分けられます。「GI」とは血糖値を急激に上げるか、ゆっくり上げるかの違いです。運動後には「高GI食品」を摂取した方が、グリコーゲンの回復が早いと研究によって分かっています。
つまり、おにぎりやじゃがいも、パンなどを補給すると筋肉痛を緩和できるということです。
ーーどのくらい摂取したら良いのでしょうか? 厚生省基準では、アスリートは体重1kgあたり8〜12g摂ると良いといわれています。つまり、80kgの体重の人だと約800gということです。これはおにぎり22個分に相当します。
ーーそんな食べられません(笑)。 一般の人だと1日330〜430gなので、約半分で大丈夫です。おにぎり10個分程度ですが、3食に分けて食べることになりますし、ほかにも糖質は摂取しますから、無理する必要はありません。
ただ、30〜40代の方が習慣的に運動しているなら、糖質の摂取を心がけてくださいということはお伝えしたいです。また飲み物は、水だけでなくスポーツドリンクをおすすめします。
しかし、運動中は糖質を摂りすぎると、反射や反応が遅れるといわれているので注意が必要です。運動後に一気に取り入れるよりも、15分ごとに糖質を摂取するほうが回復には良いです。
ーー糖質以外にも取り入れたほうがよいものがありますか? 糖質に加え、タンパク質を一緒に取り入れると「インスリン」と呼ばれるホルモンが出ます。インスリンは、筋肉の回復に重要です。最近の研究で分かっているのは糖分とタンパク質に加えて、「ロイシン」と呼ばれるアミノ酸も一緒に摂取すると、リカバリーが早まるということです。
ロイシンは、ドラッグストアで「BCAA」と表記されている製品のことです。
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