メールでもLINEでも。外部とのやり取りは必ず書面で残すが吉
次は、ファッションビジネスで必ず知るべき生産・流通での取引について。 原 取引先とはどういうやり取りをしているんでしょうか?
中田 生産を請け負ってもらっている会社とは、取引申請書と契約書を交わす手続きをしています。
海老澤 素晴らしいですね。ファッション業界では書面を交わさずに口頭で済ませてしまうこともまだ多く、言った言わないの問題になったり、行き違いがあった時に証拠がないということもあります。
私が皆さんによくお願いするのは、すべて書面に残して欲しいということ。できれば契約書のかたちが望ましいですが、ハードルが高い場合は、メールでもLINEでも、きちんと可視化できるかたちであれば大丈夫です。
原 細かいやり取りまで、すべて記録に残すって大変じゃないですか?
海老澤 確かにすべての記録を残すのは大変ですよね。ただ、記録を残していないところがトラブルになりやすいのも事実です(苦笑)。打ち合わせなどで重要な内容を話し合った際には、事後的に簡単なメモを作って、相手方に了承を取るという方法などをお薦めしています。
中田 僕がやり取りをしているチームで言うと、デザイナーやパタンナーは必ず記録を残しますね。結局それを残さないと、自分たちが被害を受けることになるので。
原 ところで、今はECでの展開や流通も主流になっていますが、そこでの取引で注意点はありますか?
海老澤 対面ではなくプラットフォーム上で消費者の方と取引をすることになるので、特定商取引法などの法律をきちんと守るとともに、事前にルールを決めておくことが大事です。
プラットフォームを利用する際は、そのプラットフォームの利用規約をきちんと確認してもらうのがいちばんですね。
中田 確認しても自分でわからないところがありそうだから、専門知識をもつ方と一緒に読み解くのがベストですね。
▶︎契約の詳しい内容を動画でチェック! 4/4