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③幼魚の間だけ擬態する「ナンヨウツバメウオ」

ナンヨウツバメウオ

ナンヨウツバメウオ


「擬態は幼魚たちの得意技なんですが、特に好きなのが『ナンヨウツバメウオ』。彼らは枯れ葉に擬態するんです。大きさも色も形も、完全に枯れ葉にしか見えない。しかも、立ち振舞も枯れ葉そのもので、泳がず、ただ浮いているだけ。

すごいですよね? 彼らの祖先が枯れ葉を見て、『これになろう!』と思った瞬間があったわけです。そこから壮大な時間をかけてちょっとずつ進化し、枯れ葉に近づいていった」。



「枯葉に擬態するのは幼魚のときだけで、大人になるとスペード型のでっかい魚になります。これが、成魚にはない幼魚の面白さですね。

身を守る術はコレだと気づいて、そこから何世代にも連なって今の形に行き着いた。もしかしたら、まだ変化している最中かもしれない。そう考えるとドラマチックですよね〜。

種類によって生き様が多様で、すべてが正解。きっと人間もそう。どんな生き様も正しいんだって、彼らを見ていると考えさせられます」。


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