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相棒カメラとともに果てしない“山旅”は続く

今や登山専門メディアにも登場する大石学さん。だが本格的に山を始めたのはそれほど昔のことじゃない。実は、40代を迎えてからである。

「2017年に、長い休みをとって旅に出たんです。アジア、中東、ヨーロッパ、北米から南米、南極まで48カ国、1年2カ月の旅。ネパールではアンナプルナ(世界第10位の高峰。8091m)のベースキャンプ付近をトレッキングして。そこから眺めた山々は圧巻でしたね」。

ヒマラヤの山は学さんの心に何かを刻んだのだろう。翌18年の帰国後、知り合いとともに山梨県の大菩薩嶺(2057m)を訪れた。ルートによって初心者からベテランまで楽しめる、懐の深い名山である。

カヤト(ササ類が群生する平原)歩きの開放感。広大無辺の裾野を持つ富士山の威容。南アルプスの大パノラマ。「都心から近くて、こんなにいい場所があったのか」と感動した。その後、東京都の最高峰である雲取山(2017m)へ。思い返せばこの単独行が、登山を始めるきっかけになったという。

「世界一周の“旅の続き”みたいな感覚があったんです。コロナ禍前だったので、予約なしでふらっと山小屋に泊まれる気楽さ。重いザックを下ろしたときの安堵感。宿泊者との会話。山で行き交う見ず知らずの人との挨拶。そういった感じすべてが、旅の感覚そのものだったんですね」。



そこから学さんはぐっと山に傾倒していく。山行はほぼ毎週。ホームグラウンドである表丹沢・塔ノ岳(1490m)には、朝イチに登ってから仕事に向かうこともある。

ハードな登山ものんびりしたハイキングも、山スキーも分け隔てなく楽しむ。季節を問わず、年中無休である。

「仕事も趣味も、わりとのめり込むほうかもしれません。やると決めたらストイックに取り組んで。やっぱり、上手くなりたいんですよね」。

チャレンジ精神の原点は、硬式野球に青春を捧げた高校時代にある。野球のエリートが集う岡山の名門校に籍を置き、主将を務めた。

「当たり前ですが、みんな半端なく上手いんですよ(笑)。その中でレギュラーを勝ち取るにはトレーニングを積むしかない。それはもうキツいんですが、一方どこかで楽しまないと続けることができない。その経験と思考が、山登りにつながっているのかもしれません」。



そんな学さんの登山を支えているのがミレーのウェア&ギアだ。

「汗っかきのマストアイテム」というメッシュのベースレイヤー。さらりとした和紙素材の開襟シャツ。軽量なイージーパンツ。そして年季の入った45Lのバックパックと、数多くのプロダクトを愛用している。

「街っぽい機能服を山でも着るのが僕のスタイル。ミレーはセンスのいい色も、クールなデザインも自分好み。それでいて“山のプロ”っていう感じがまた、そそるんですよね。機能面は言うまでもなく完璧です」。
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