後席ドアはスライドドアも選べるようだ。
今やVIPは車内が広いミニバンで移動するのが当たり前、当然センチュリーにも広い車内空間が必要だ。
そしてそこから下りる際は背筋を伸ばして美しく下りていただきたい。となると……と検討を重ねた末に、このフォルムにたどり着いたという。
ともかく。SUV“風”になった新しいセンチュリーを改めて見てみよう。
凜として風格のあるその姿は、確かに歴代センチュリーをモダンにしたデザインだ。従業員が1000人以上いそうな会社の社長クラスが下りてくるシーンがよく似合う。
乗降時に足が引っかからないよう、フロアにドア枠が出っ張らない、フラットなフロア。しかもドアを開けるとサイドステップがスッと出て、トヨタいわく「凜とした姿勢をごく自然に保ちながら美しく降車」できる。
新開発された3.5Lプラグインハイブリッドシステムを搭載することで、日常の移動ならモーターのみで静かに走行、長距離やいざという加速時はエンジンがアシストする。
後席の乗員に気づかれないほどスムーズに車線変更できる走行モード(リア・コンフォート・モード)を備え、停止時の揺り戻しを抑えるブレーキ制御も働く。
手元にはスマートフォンのようなリモコンがあり、もちろん取り外し可能。左右席の間には冷蔵庫もあるなど、至れり尽くせりな装備であることは言わずもがな。
モーターやエンジン音の届かない後席には、長年楽器作りに携わってきた匠とともに開発した生演奏かのような音を奏でるオーディオから、好みの音楽を流すことができる。目の前には11.6インチのディスプレイがあるから、好きなオペラも鑑賞できるだろう。
また、目まぐるしいスケジュールの中、少しでも仮眠したいとなれば、ほぼフルリクライニングするシートが優しく体を包み込んでくれる。
その際、後席を取り囲むガラスを調光して外からの視線をシャットアウトすれば、信号待ちなどで隣の車から寝顔を見られることはない。
寝れる。これなら爆睡できる自信がある。
3/3