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スタイリストとして向き合うニューバランス



――ちなみに、スタイリストとしてコーディネイトを組む際は、どのモデルを採用するケースが多いですか?

 別に仕事でコーディネイトを組むからと、最新のモデルを取り入れることはしませんね。自分が気分なもの、好きなモデルを履いてもらうことが多い気がします。余計なことはあまり考えず、なんとなくトータルで着こなしに馴染むかが重要です。

――梶さんの中でニューバランスの魅力はなんだと思われますか?

 なんでしょうね……。いちばん正統派なスニーカーではないでしょうか。トラッド的というのかな。先ほど紹介した「2040」も、歴史と伝統に裏打ちされたブレない軸があるから成立するというか。

ダッフルコート/オーラリー、ベスト/古着、パーカ、デニム/サンセサンセ、キャップ/ニューエラ

――梶さんの普段の着こなしでいうと?

 昔であれば、ニューバランスのちょっといいモデルを取り入れて、足し算的感覚で取り入れることが多かったんですが、ここ最近はシンプルですね。

今回はダッフルコートにパーカ、そしてジーンズで合わせていて、どれも我々にとってはお馴染みのアイテムですよね。そこへ隠し味程度に「1300」。そうすると、可愛らしいマイルドな色みのアウターながら浮ついて見えないというか。

力まず、自然にそれがオシャレな着こなしに見えてくるというのが理想ですね。



 高価なもの、人気のあるものは、それなりに理由があるでしょう。それは理解しているつもりですけど、そこにかまけたくないというか、頼りたくないというか。誰もが手にする大定番を、どう自分なりに履いていくか。そちらの方が大事な気がしています。


流行に左右されず、どう履きこなすか。梶さんのように、自分ならではのスタイルを身につけていきたいものだ。

豊田和志=写真 菊地 亮=取材・文

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