【4足目】「2040」
ーーラスト一足は? 梶 最後は「2040」です。オリジナルのモデルは、2010年代当時に人気だった「2002」も含めてすべてゲットしています。ただ、「2040」ってそこまで話題にのぼらなかったモデルのはずなんですよ。
だから逆に愛おしいというか、すごく好きでした。さほどロゴも主張せず、いい意味で今までの2000番台とはちょっと違うなと思わせる佇まい。天邪鬼的な気持ちが作用したんでしょうね(笑)。
――確かに「2002」のような人気モデルと比べると、知る人ぞ知るモデルというイメージがあります。 梶 ファッション誌でも取り上げられる頻度が少なかったですしね。個人的にはスティーブ・ジョブズ的解釈というか……。その頃僕が履いていたスニーカーはヴァンズのオーセンティックが主流でしたし、あまり洋服に色気を求めていなかった。
ニューバランスを履く理由も、大部分はオシャレというより履き心地の良さでしたから。感覚としては、もうヴァンズのオーセンティックに近い感じでしたね。
――年を経るほどに目線が変わってきたのでしょうか? 梶 そうなんでしょうね。ただ、そこに価値がだんだんと乗っかってくると、逆に「履かなくてもいいかな」ってなっちゃう。
――梶さんの嗜好性がよく表れたモデルのような気がします。 梶 どうでしょうね(笑)。意外と「574」も好きですから、ただの天邪鬼とも言い難い。どっちも楽しみたいというか。ただ、中途半端に中間をいかないのは僕らしいかなとは思いますけど。
5/6