正しく食べて、守る海。その道標に「ブルーシーフードガイド」
現在、日本でトレーサビリティが明確になっているのは、米と牛肉のみ。
どちらも以前、生産者が不明なまま流通することで問題が発生したからこそ、義務化されたという経緯がある。
問題は起きる前に防ぐべきである。井植さんが理事長を務めるセイラーズフォーザシーでは、カリフォルニア州のモントレーベイ水族館のシーフードウォッチをお手本に、「ブルーシーフードガイド」プログラムを立ち上げている。
ブルーシーフードガイド 東京都版/東京都産業労働局
「4つの基準で科学的にブルーシーフードを選定しています。地域ごとにも情報をまとめていて、例えば東京版でしたら、豊洲市場で売られているブルーシーフードも提示する、というように具体的に消費者の方が把握しやすいようにしています。
銀座久兵衛もブルーシーフードパートナーのひとつだ。写真は提供イメージ。
そして、ブルーシーフードパートナーという形でレストランや自治体などとも連携をとっているので、外食でもいただくことができます。ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルや江戸前鮨の銀座久兵衛、つるとんたんブラッセリー、デニーズでも提供されています」。
この日本版ブルーシーフードを意識しておけば、消費者それぞれの行動が水産資源の現状を変えることにもつながっていくはずだ。
「既にアメリカでは、ホールフーズマーケットやウォルマートでも、モントレーベイ水族館が作ったシーフードウォッチを基に、持続可能な水産物のみを販売しています。消費者一人一人が水産資源にアンテナを張って日々の購買行動を進めていけるようになっているんです。
日本でもそういった消費行動が定着するよう、私もブルーシーフードガイドをもっと普及させていきたいと考えています」。
食べて守る海の環境。知っておけば、みんなのライフスタイルがより豊かになるだろう。