社内恋愛から起こりうる悪いケースを伝えてあげる

では、どうすればよいでしょうか。私のお勧めはふつうに「気をつけてね」と、社内恋愛から発展して起こりそうな悪い出来事を、ネガティブリストとして伝えてあげることです。

社内恋愛をしている社員のうち、自分に近いほうと話す機会を作って、「社内恋愛をしていることを知りました」「会社としてはまったく問題なく、応援してあげたい」「ただし、社内恋愛から発展して悪い事件につながったケースとして、これまでこのようなことがあった（もしくは考えられる）」と伝えてあげてはどうでしょうか。

「あなたがそんなことをすると考えているわけでは全くないが、万一ということもあるので事前に言っておくね」というスタンスであれば、少しは嫌な気になるかもしれませんが、大事にはならないでしょう。

影響を説明して自分から対処を要望してもらう

また、会社としては問題なくても、まわりの人は穿って考えることもあると（上述の便宜を図ると見られる等）、周囲からの見え方を伝えることもありかもしれません。

その上で、「何か対処して欲しいことはありますか」と聞いてもよいでしょう。会社から一方的に部署異動などするのはリスクがありますが、周囲への影響を考えて、社内恋愛をしている人自身から「異動させて欲しい」という要望を受けるかもしれません。

そういうことがあれば、あくまでも本人の要望によって部署異動をよいタイミングでかなえてあげてもよいでしょう。重要なのは会社の方針ではなく「本人の要望」ということです。

少しずるく思えるかもしれませんが、上述のようなインシデントが起こってしまわないように、リスクを伝えることで「自分から」対処を申し出るようになれば、いちばん無難な流れとなります。