今年からディレクションを始めたブランド「コモンユース」のジャケット。縫製などを徹底的に簡素化することを心がける。
「Feel So Goodなモノ語り」とは……▶︎すべての写真を見る | アタッチメント、ヴェイン デザイナー 榎本光希さん 複数のデザイナーズブランドでのスタッフ経験を経て、2022AWシーズンにアタッチメントのデザイナーに就任。19年からは自身のブランド、ヴェインのデザインも手掛ける。 |
心地いいと思うものは、どれもシンプルであること、飽きがこない、といった共通点があります。もう20代の中頃から、その傾向は変わっていません。
「ヴェイン」の靴。定番Uチップながら、ソールが2枚構造だったりと、飽きない仕掛けが盛り込まれている。
ひと口に“シンプル”と言っても、さまざまな捉え方がありますが、デザインがさりげなく、身に着けるときに迷いがなく、自然に身体に馴染む。僕にはそんな定義があります。
古着のシャツ。大衆向けに量産されたシャツこそ、「シンプルデザインの宝庫」だとか。
色は、白、黒、グレーが基本。自ら手掛けるブランドのアイテムも、常にそんな定義に当てはまるものを目指しています。
「ロレックス」の腕時計。楕円形のケースが珍しい70年代のチェリーニ。華やかすぎず適度に上品。その塩梅が好き。
米海軍のマグカップ。40年代に作られた厚みのあるミルクガラス製。甲板の上で手を温めるために取っ手がない。
できれば、10年ほど使ってもまったく飽きがこなくて、心地良さも変わらない。使うものも作るものも、そうありたいと思っています。