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2024.01.21

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ラーメン官僚が2024年トレンド&注目店を発表!キーワードは「麺の時代」「淡麗塩」「原点回帰」

原点回帰なら目黒、不動前にある「えーちゃん食堂」。

連載「地方ラーメン激戦県」とは……

年間700杯のラーメンを食べ歩く、ラーメン官僚。今回は新年の番外編として、2024年のラーメントレンドを予測してもらった。

コレが流行る! と言い切れるほどラーメン界の動きは容易に読み取れるわけではないが、見えてきた傾向が3つあるという。

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案内人はこの方!
かずあっきぃ(通称・ラーメン官僚)●本職は官僚。大学時よりラーメンの食べ歩きを始める。「COWCOWのまるまるラーメン最前線」(BSフジ)、「食楽web」をはじめ、あらゆるメディアでラーメン連載を担当している。年間700杯食べる秘訣は「ラーメン以外を食べないこと」。

かずあっきぃ(通称・ラーメン官僚)●本職は官僚。大学時よりラーメンの食べ歩きを始める。「COWCOWのまるまるラーメン最前線」(BSフジ)、「食楽web」をはじめ、あらゆるメディアでラーメン連載を担当している。年間700杯食べる秘訣は「ラーメン以外を食べないこと」。

ラーメントレンド予測は容易ではない


ーー来年または今年はどのようなラーメンが流行ると思いますか?

いわゆるラーメントレンドについての質問は、私のようなラーメン好きが、特に年末年始に何度となく問いかけられる、定番クエスチョンだ。

正直に告白すると、この問いかけに的確に答えることはきわめて難しい。「次にブレイクするラーメンは何か」。それがあらかじめわかるのであれば、もっと多くの人がラーメン職人を志しているに違いない。

とりわけ、ラーメンの場合は、年半ばに誕生した1軒の新店ラーメンが大ヒットし、新たなトレンドの起爆剤となる場合がままある。これがトレンド予測の難しさに拍車をかけている。

記憶に新しいところだと、三鷹の「元祖スタミナ満点らーめんすず鬼(2019年オープン)」が開発した「スタ満ソバ」がそうだ。この「スタ満ソバ」のブレイクによって、数多くのラーメン店が、後に続けと言わんばかりに同品をインスパイアした1杯を提供するようになった。

しかも、ラーメン店の新規開業軒数は、他グルメのそれとは比較にならないほど多い。ゆえに、上記のような事態が頻繁に発生するのだ。

3つのキーワードに集約される今年のラーメントレンド


と、このように、ラーメントレンドに関しては不確定要素が多過ぎるため、いくら頭を悩ませて予測しようとしても、無意味であることが多い。預言者でもない限り、その年にブレイクするラーメンを確実に言い当てることは不可能だ。

が、そういう諸々を飲み込んだ上であえて予想すると、私は「麺の時代」「淡麗塩」「原点回帰」、2024年のラーメントレンドは、これら3つのワードに集約されるのではないかと思う。

「だしと麺 遊泳」では「細」と「中太」のこだわりの麺が味わえる。こちらは「だしそば」の中太麺。

「だしと麺 遊泳」では「細」と「中太」のこだわりの麺を提供。


麺にこだわったラーメン、うま味がクリアな塩ラーメン、そして、昔懐かしさを感じる素朴なラーメン。この3タイプのラーメンが、今年、大きく羽ばたくということだ。

ラーメンの世界においては、ここ10~20年の間に、スープの研究・開発が飛躍的に進み、もはや、スープのクオリティだけで他店との差別化を図ることは困難な状況となった。

スープで勝負が付かないのなら、麺で差を付けるしかない。そのように考えるラーメン職人が徐々に増え、2022年〜2023年にいたっては、製麺所から麺を卸さず、自分で打った自家製麺を用いる店舗が、特に都内では人気上位を占めるにいたった。

スープの出来が良いことは所与の前提とした上で、麺づくりにもこだわる。食べ手からの支持を獲得するには、麺にも力を入れるのが当然。2024年は、そんな「麺の時代」がより一層本格化するだろう。

2023年春にオープンした淡麗ラーメン「Japanese Ramen 五感」の「塩らぁめん」。

2023年春にオープンした淡麗ラーメン「Japanese Ramen 五感」の「塩らぁめん」。


また、スープクオリティの向上がもたらす別方向からのアプローチとして、スープの出汁を採る素材(鶏・豚・節・煮干し・昆布等)の等身大のうま味を最大限に活かしたラーメンが脚光を浴びつつある。

具体的には、「醤油ラーメン」「味噌ラーメン」よりも、タレのうま味が淡く、素材の魅力をダイレクトに食べ手に伝えることができる「塩ラーメン」。中でも、うま味が特にクリアに演出できる「淡麗塩ラーメン」が、トレンドの中心へと躍り出るだろう。

さらに、2010年代に一世を風靡した、いわゆるインスタ映えする、視覚的に華がある「創作ラーメン」でなく、チャーシュー、メンマ、ネギ、海苔など、定番の具をシンプルに盛り付けた、懐かしさ(ノスタルジー)を感じさせる「原点回帰」系ラーメンを出す店が、特に2020年以降、年々増加傾向にある。

原点回帰なら目黒、不動前にある「えーちゃん食堂」。

原点回帰なら目黒、不動前にある「えーちゃん食堂」。


これは、若手・中堅ラーメン職人を中心とした、「時流に翻弄されないオーソドックスな中華そばを作りたい」という意識の高まりによるものだが、2023年に新規オープンした店舗が提供するラーメンの内容を紐解く限り、今後、その傾向に拍車が掛かることは間違いないだろう。

以上をまとめると、「麺の時代」「淡麗塩」「原点回帰」、不確定要素を除けば、これらが、2024年ラーメンシーンのトレンドとなる。

ここで、それぞれのトレンドに合致する都内の優良店を1軒ずつご紹介したい。2024年は、この3軒からラーメンの食べ歩きを始めてみては、いかがだろうか。


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