家庭に潜む食中毒とは? 冷蔵庫の過信はNG!
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ーー家庭内の食中毒は、年間でどれほど発生しているのかお聞かせください。 食中毒は、2022年の食中毒統計によれば年間で約1000件発生しています。その中で、家庭内の食中毒は約3%です。
しかし、厚生労働省が発表している「食中毒統計」に記載されている件数は、氷山の一角といえます。誰もが一度は経験したことのある疑わしい食品喫食後の嘔吐や腹痛などを数に入れると、相当な件数の食中毒が起きていると考えられます。
ーー家庭内の食中毒でも、最悪の場合死に至るケースはありますか。 家庭内の食中毒でも、死に至る可能性があります。特に気を付けてほしいのは、ボツリヌス菌と腸管出血性大腸菌です。
ボツリヌス菌による食中毒は、密封された包装済みの食品で低温管理の必要なものを室温に放置してしまい、管理を怠った場合に考えられます。しかし、滅多に被害は起きていません。
腸管出血性大腸菌は、食肉を生食や加熱不十分で食べた場合に感染する可能性があるため、適切に調理してから食べるように徹底してください。
ーースーパーで調理された食品や粉末プロテインなど、すでに加工がされている食品に関しても食中毒の危険性はありますか? スーパーで調理された食品は良い状態で販売されている可能性が高いと思われますが、開封直後に食べることで食中毒のリスクを最小限にできます。反対に、長期間冷蔵庫に入れておいた食品に関しては、注意が必要です。
冷蔵庫は、あくまで菌の繁殖を遅らせるだけなので、あまり過信しすぎないようにしましょう。また、低温管理をしても繁殖する菌は存在するため、早く食べてしまうのが効果的です。
粉プロテインは、日頃の出し入れにより空気中の水分を吸収して、菌が繁殖する可能性があります。食中毒は、微生物だけでなく微生物の産生した化学物質による被害も考えられます。そのため、できるだけ早く使い切るのがおすすめです。
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