「トレンドゆく年くる年」とは…… ディッキーズといえば「874」ワークパンツ。あらゆる世代から支持されるブランドの代名詞だが、2023年はこのパンツをおいても、目をひくトピックスがたくさんあった。
そこでプロダクト担当の奥村洋介さんに、今年のトレンドを振り返ってもらおう。
▶︎【写真12点】2023年「ディッキーズ」注目の2つの新ラインを深掘り」の詳細写真をチェック
紹介してくれたのは……
奥村洋介さん●100年ブランド・ディッキーズのプロダクト部門を担当し、企画の立ち上げから生産、マーケティングの分野まで幅広くフォローする。
① 往年ファンにも刺さる「ヘリテージアウトドアコラクション」
――2023年、ディッキーズではどういうトレンド傾向がありましたか? 奥村 2023年も874をはじめ、TCツイル素材を使用した定番アイテムが人気を牽引しましたが、新しい動きもありました。
今年は新たに2つのコレクションを発表しています。ひとつは、ヘリテージアウトドアというコレクション。素材感であったり武骨な風情だったり、ワークウェアならではの良さは残しつつ、現代風のテイストを加えたアイテムを展開し、お客様にも好評をいただきました。
![「ホルトンジャケット」2万4200円/ディッキーズ https://www.dickies.jp](https://images.oceans.tokyo.jp/media/article/45201/images/editor/79e53a461bdf151520e9b33b390ffcfdb403a214.jpg?h=858)
「ホルトンジャケット」2万4200円/ディッキーズ https://www.dickies.jp
――特にどんなアイテムが人気だったのですか? 奥村 例えばこのホルトンジャケット。ワークシーンだとカバーオールともいわれる襟のついたアイテムですが、テーラードジャケットのような形にし、普段の着こなしにも合わせやすいように仕上げました。
製品染め後にガーメント加工を加えてあたりやシワ感を出し、ヴィンテージのような表情を演出しています。パリッとしたワークウェアをイチから育てる楽しみもありますが、着たそばから馴染んでくれるものが欲しいといったニーズもあり、そういう方々から特に支持されました。
![「ホルトンパンツ」1万7600円/ディッキーズ https://www.dickies.jp](https://images.oceans.tokyo.jp/media/article/45201/images/editor/052b8d83d56aff8dba7853dc6c5e6ad67bae7e0d.jpg?h=1110)
「ホルトンパンツ」1万7600円/ディッキーズ https://www.dickies.jp
――同じ素材のパンツもあるんですね。 奥村 はい、ジャケットとセットアップで着ても格好良いと思います。パンツの形やベルトループの仕様は874を踏襲していますが、唯一違うのはトップボタン。通常の874はフックですが、このパンツはボタンになっています。
――なるほど。 ![「ルーカスワックスドジップジャケット」3万800円/ディッキーズ https://www.dickies.jp](https://images.oceans.tokyo.jp/media/article/45201/images/editor/13d291bec1192e6945589473a7d7de2dfa9ce6f0.jpg?h=902)
「ルーカスワックスドジップジャケット」3万800円/ディッキーズ https://www.dickies.jp
奥村 ヘリテージアウトドアでは、ほかにもディッキーズの定番アイゼンハワージャケットをベースにオイルドワックスコーティングを施したジャケットも人気でした。
襟をコーデュロイ生地で切り替え、裏地はブランケットタイプの生地になっています。アームの部分に添えたペンホルダーや、3本ステッチミシンで縫製し強度を増すトリプルステッチ仕様と、ワークならではの意匠はしっかり踏襲しています。
――ブランケットライナーは懐かしいですね! 奥村 オリジンでも使っているのですが、当時はもう少しガサガサしたタッチでした。それを柔らかい生地に変え、着やすく仕上げているのもこだわりです。
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