名店① スープのギミックに賞賛！ 「KÜCHE」

最初にご紹介するのは「KÜCHE（クーシェ）」。オープンは、2014年1月9日。上新庄駅から徒歩5分程度と立地は至便だ。

「濃厚で、あとを引く味わい」を目標に掲げ、日々試行錯誤を重ねた結果、ほかのいかなるラーメン店でも味わうことができない1杯を開発することに成功。今では、上新庄・淡路エリアを代表する実力店のひとつへと躍進を遂げた。

2023年12月現在、つけ麺系の「つけKURO」、「つけHAKU」、汁そば系の「らー麺KURO」、「NAGOMI（数量限定メニュー）」などの麺メニューを提供する。まず召し上がっていただきたいのは、メニューリストの筆頭に君臨する「つけKURO」である。



スープは、豚の希少部位などを丁寧に炊いた動物系出汁と、サバ、カツオなどの魚介素材から滋味の粋を切り出した出汁とを、絶妙なバランス感覚で重ね合わせたもの。焦がし醤油、発酵チーズなどを効果的に採り入れたカエシの香り高さも相まって、店側の狙いどおり、強烈にあとを引く味わいとなっている。

この1杯に仕掛けられたギミックは、それだけではない。スープに大量の細切れ肉を仕込ませているのも特徴的だ。スープの滋味をたっぷりと吸収した細切れ肉に、口内の隅々にまで旨味を行き渡らせる役割を担わせている。

スープと肉を同時に口にしているような未知の感覚が、食べ手のテンションを右肩上がりに高揚させ、複数の素材が一体化することで極まった旨味が、味覚中枢のド真ん中を直撃する会心の出来映え。

「よくぞ、ここまで考えた！」と、手放しで称賛したくなった。



同店は、2023年4月、東京・西早稲田の地に、2号店である「ZweiterLäden」を開業。「つけKURO」など、一部のメニューは2号店でも提供されているところだが、まずは、本店である　「KÜCHE」へと足を運んでもらいたい。大阪における良き思い出の1頁となるに違いない。