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大事なのは、そのとき目にした瞬間のノリ



マニアは革ジャンの魅力を熟知しており、訊かずともその魅力を雄弁に語る。だが、革ジャン愛がパンク・ロックに端を発する小沢さんは違う。

選ぶ際のポイントも、「正しい言い回しは覚えてないけど」と前置きをしつつ。

「リチャード・バックの小説『イリュージョン』の一節に、『そのときに目に入ったもの全てに意味がある』といったものがあるんです。広告でも景色でも、目に入ったものに、いまの君の答えがあるんだという意味合いで。

つまり、これってノリとかフィーリングですよね。“いいな”と思うポイントは、色やデザイン、素材感……何でもいいんです。大事なのは、そのとき目にした瞬間のノリ」。



マニアやコレクターなどとは違う、小沢さんなりの文脈で革ジャンを着ているという。

「これは革ジャンに限らず、ほかの服やレコード、本など、何でもそう。ブランドや値段をチェックすることはあまりなくて、瞬間的に“いいな”と思ったものを買います」。

さらに、革ジャン以外のモノの選び方についても教えてくれた。

「ネットで買うことは、ほぼないですね。だって欲しいものに対して、ダイレクトにアプローチできちゃうじゃないですか。

実店舗で買い物をすると、ふとした瞬間に意図していなかったものが気になって、ついそれを買っちゃうといったサプライズがありますよね。それが楽しいんですよ。

ただまあ、試着もしないで買うので、実際に着るとサイズが小さ過ぎて着られなかったことは何度もありますけど……」。


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