革ジャン愛の発露は、地元の怖くて格好いい先輩方
「なんでも聞いてくださいね」。
インタビューの冒頭、小沢さんが少ししゃがれた、あの声で優しく語りかける。
人気番組『アメトーーク! ”革ジャン大好き芸人”』について水を向けると、「いや、僕なんてぜんぜん詳しくないんですよ」と、恥ずかしそうに顔をしかめるのもテレビと同じだ。
まずは、革ジャンとの出合いを聞いた。
「僕の出身は愛知県です。当時、身近な先輩たちが地元で“栄パンク”と呼ばれるパンクス集団を形成していて、それがすごく格好良かったんです。
特に、今も活躍中のザ・スター・クラブ(THE STAR CLUB)という、名古屋発のパンク・ロックバンドにはすごく影響を受けました。当時は、その人たちの真似ばかりしていましたね。
同時に自分でもバンドを始めたり、ザ・ブルーハーツを聴くようになったり。革ジャンを着るようになったのは、そういった原体験に起因するのかなと思います」。
そんな小沢さんが、最初に買った革ジャンは15歳のときだった。
「『ショット』のワンスターです。いわゆるパーフェクトと呼ばれる、ダブルのライダースジャケット。それも、スタークラブのメンバーが着ていて格好良かったから」。
「ジョンソンズ」のフライングジャケット(小沢さんの私物)。ワッペンデザインから「JIVE PILOT(=狂った操縦士)」と呼ばれるもので、こちらは’80年代に製造されたものを忠実に再現したモデル。メッセージ性の強い、ど派手なデザインが人気なのだ。名古屋のパンクロックの老舗『ゴールデンイヤーズ』で購入したそう。
今回、準備していただいたのは、「ジョンソンズ」のフライングジャケット。’80年代に世界中のパンクロッカーから愛された伝説のブランドだ。
当時、15歳の小沢少年が憧れた先輩「ザ スタークラブ」のヴォーカル・HIKAGE氏も着用していた。
「初めて手にした『ジョンソンズ』の革ジャンは、先輩から安価で譲ってもらったもの。黒レザーがベースで、背面に零戦と桜のデザインを施した通称『桜花』と呼ばれる、レザーのフライトジャケットモデルでした。
それ以来、大好きで買っています。この茶色のジャケット以外に、同じシリーズのものを2着所有しています」。
大好きな「ジョンソンズ」のジャケットに、インディゴのストレートデニム。足もとは、豹柄のアッパーが際立つ「ジョージコックス」のラバーソールという、UKパンク全開の着こなし。
ここ数年ハマっているというデニムの大胆なロールアップは、甲本ヒロトさんがやったいたことで、ずっと真似をしているのだという。
3/5