増田さんにとって印象深い物件がある。
「車を2台置ける敷地がある物件で、私は外構設計だけを担当したんですが、あえて建物にふさわしいアプローチを取りました。駐車場が2台ほしいというお客様には向いていませんが、必要としてくれる方に支持されたら嬉しいなという感覚です」。
なるほど、このアプローチがあるとないではガラリと雰囲気が変わる。
増田さんがメイン担当として手掛けた物件の写真も見せてもらった。
「これは建具などの面材にニュアンスとして色を入れました。無彩色でコーディネイトするよりも温かみのあるデザインになっています。天井高が高いリビングなので、壁の一部には大きいタイルを貼って迫力のある仕上がりを意識しました」。
同じ白でも微妙にトーンの濃淡を変えている。
「こちらの物件のダイニングキッチンは、白やベージュを基調とした明るい色味でコーディネイト。さらにゴールドの照明やブロンズミラーなどの光り物がアクセントとして映えるようにしました」。
床タイルに鏡面仕様のものを使うこともあるそうだ。
そんな増田さんを推薦してくれたのは、常務取締役の落合さん。
「増田は色使いという点で非常に長けていますね。木、タイル、石などの素材と色相を選択しながら、カラーコーディネイトをしていく。
肉眼ではわからないぐらいの濃淡を取り入れるので、お客様が見ても気付かないことがあるほど。気付かないけど品がよく華やかで『なんか、いいね』と思わせる天才、色の魔術師ですよ」。
愛犬仲間でふだんからワンちゃんトークに花を咲かせているふたり。
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