OCEANS

SHARE

映像作家・ゆはらかずきさん

「オンライン上でも、他者とのつながりを感じられます」

ゆはらかずきさん
1996年生まれ。VR映像作家、ゲームクリエイター。多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース卒業。東京藝術大学大学院映像科アニメーション専攻ゲームコースの在籍中にゲーム制作を始める。アニメ『ポプテピピック』第二期のオープニングアニメーションのディレクションを務めた。
https://yuharakazuki.wixsite.com/website

僕が考えるゲームの魅力は2つ。まず1つは、その世界に一人で没入できること。一人のプレイヤーとして世界を隅々まで冒険することができるから、作られた世界であることですら忘れられます。プレイヤーとしてその世界に降りた時は、まだ何も知らない赤ちゃん同然。一歩進むごとに新しい発見があります。プレイヤーとしてその世界の事象をあるがままに受け入れ、世界を歩くことで何か魅力的なものを探す旅をすることができます。

もう1つは、他者とのつながりです。オンラインでプレイすることが一般的になった今、プレイしながら会話したりと、ゲームはコミュニケーションツールとして優れていると思います。とくに、4人1チームで会話しながら協力して戦う『スプラトゥーン3』は、他者とのつながりという点でとても考えさせられましたね。

そして、近年のゲームの動向として面白いのが、やはりYoutuberやVtuberなど配信者とそれを取り囲む人々の動き。関連コンテンツとして、YouTubeやTwitchでの実況も面白いムーブメントです。

例えば、『スプラトゥーン3』では数カ月おきにフェスが開催され、そこでは3つの派閥に分かれて戦います。自分が気になる配信者と同じチームになってフェスに参加することができ、オンライン上ながら一体感を感じられます。

このように、現在ゲームは1人で楽しむものから、多くの人が同じ場所で体験を共有するものへと変化しました。今後この動きはさらに加速し続けると思います。また、単純により多くの人が場所を共有するものへと変化していくと予想します。さらに言えば、それとは逆行する小さなコミュニティで形成されるゲーム体験の共有も、これからムーブメントとして起こっていくと思います。



6/6

次の記事を読み込んでいます。