鋳物だからこそできる、厚みと形状
鋳物の町、埼玉県川口市で生産されている。
「肉厚のアルミ素材」と「丸みのある形」。この2つの特徴が、味わい鍋を他の鍋とは違う特別なものにしている。
まず、鉄やステンレスに比べて熱伝導に優れる肉厚のアルミ素材により、短い時間で全体がムラなく温まる。
そして、まるで羽釜のような丸みを帯びた形状が、熱を効率よく伝え、炊飯時に理想的な対流を生む(鍋の中でお米が踊る)秘密となっている。
液体状のアルミを型に流し入れる。
通常、アルミ鍋は量産に適したマシンプレスで作られることが多いが、味わい鍋の形状と十分な強度を実現するには、高温に熱した液体状のアルミを型に流し込んで成形する、いわゆる“鋳造”が不可欠。
非常に高い技術が必要とされる製法のため、熟練の職人の手によって一つひとつ仕上げられているそうだ。
職人がひとつずつ、丁寧に仕上げていく。
販売開始時から国内での生産にこだわり、現在、鋳造は山形、切削と組み立てを川口、塗装を新潟の職人がそれぞれ担当している。
ちなみに、試作を何度も繰り返し、製品化までは約2年もの歳月がかかったというのだから、そのこだわりぶりが窺い知れよう。
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