指示じゃなく「対話」で動くのが相棒だ!
ホンダ「CI-MEV」。バッテリーは交換式なので、充電待ちをする必要がない。
一見、単なるふたり乗りBEVだけど、実は車と“対話”しながら運転するモビリティ。ドライバーが車に“指示”するのではなく、あくまで“対話”なのだという。
ホンダが開発しているこの「CI-MEV」は、現在もてはやされているAI(人工知能:Artificial Intelligence)ではなく「CI(協調人工知能:Cooperative Intelligence)」を装備するとしている。
AIとCIで何が違う!? まずAIは人間の指示にあくまでも忠実。だから「○○スーパーまで」と指示すれば目的地まで乗員を連れていってくれる。
しかし人間の指示に対してその意図まで考えるCIは「あっち」とか「こっち」でも動く。なんならジェスチャーでもいいそうだ。
速度計など必要な情報はすべてハンドル前のディスプレイに表示される。
「人間の相棒」とホンダはいう。自動運転時代になっても、運転する楽しみを奪いたくないと、自動運転モードと運転支援モードを用意。人間が運転するときはCIが陰ながら見守り、いざとなったら安全運転を支える。
だから免許返納なんてしなくてもずっと乗り続けられる。高齢化や、ドライバー不足の公共交通事情に対するホンダらしい解答が、人間の相棒であるCI-MEV。
「といってもAIはおろか、さらに複雑そうなCIの時代なんて簡単に来ないよね」と思っていたら、2024年にはCI-MEVのテストが茨城県で始まるらしい。未来って意外ともう目の前なのかも。
世界を驚かせた2社が作る自動運転車
ソニー・ホンダモビリティ「アフィーラプロトタイプ」。ボディ先端がディスプレイになっていて、オーナーや歩行者、対向車等にさまざまなメッセージを発することができる。
3年前にソニーがBEVを作るって聞いたときも驚いたけど、昨年ホンダと新会社を作るってニュースにもびっくりした。
そんな日本を代表する二大メーカーが共同で開発したBEV「アフィーラプロトタイプ」がJMS2023で初めて披露された。
その姿は
3年前にソニーが披露した「VISION-S」の正常進化型で、より無駄のないシンプルなデザインになっている。
また4つのモーターをそれぞれの車輪に備えるBEVであることや、世界最高峰と呼ばれる同社のイメージング&センシング技術を活用した自動運転技術、オーディオ技術やクラウド、AI、ネットワーク技術などを駆使して車内をエンタメ化する点もVISION-Sと同じだ。
残念ながらJMS2023で実車を見ただけでは、自動運転の様子も、車内エンタメもあまり見えてこない。ただし、VISION-Sと大きく異なるのはホンダが加わったこと。
極端な話、車を作る作業はホンダに任せることで、ソニーは車内のエンタメ化にもっと注力するのかも? ソニーピクチャーズが配給する映画の世界をリアル体験できる!?
ともかく、これまでも世界をアッと驚かせた2社だ。自動運転時代でも再び世の中を驚愕させるようなモノづくりに期待したい。
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