近年、筋トレ界隈で筋肥大効果が期待されているサプリメントが「クレアチン」だ。筋トレや運動効果を高めるとして多くのトレーナーが摂取している。 今回は、そんなクレアチンの具体的な効果や摂取量の目安、副作用などについて、大正製薬株式会社の山本 雅さんに話を伺った。
話を聞いたのはこの人! 山本 雅●大正製薬株式会社メディア推進部。2009年入社、大宮総合研究所にてドリンク剤の設計等を担当し、2020年に商品開発部へ異動し、リポビタンスポーツの開発を担当。
筋力維持に必要な成分「クレアチン」
――まず、クレアチンとはどのような成分なのか教えてください。 クレアチンとは、瞬発的な力を発揮するときにエネルギーの生産を後押ししてくれる成分のことです。
クレアチンを摂取することで、体内にあるリン酸と摂取したクレアチンが結合し、「クレアチンリン酸」が生成されます。
高負荷のトレーニングでパワーを持続させるためには、ATP(アデノシン三リン酸)からADP(アデノシン二リン酸)へ分解される際に発生するエネルギーが必要です。
しかし、体内に含まれるATPは量に限りがあるため、激しい運動ではすぐに枯渇してしまいます。そこで、ADPをATPに再合成し、エネルギー利用可能量を増やすのがクレアチンリン酸です。
ATPの再合成が長く続けば継続して強いパワーを発揮できるため、高負荷の筋力トレーニングや瞬発力が求められるスポーツにクレアチンはおすすめです。
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