OCEANS

SHARE

10年後、60歳の頃に何をしたいか

今回はインディーズのゾンビ映画ですけど、次の10年を経て60歳の時には製作費100億円以上のアクション映画を撮りたいと考えています。

そのためにはスタントの分野、特殊なカメラ技術、カーアクション、格闘技……そういった部分に習熟しておくことが必要。さらに、60歳の頃に声をかけてもらえる自分でいられるための実績も作っておかないといけない。

Netflixなどの監督を何本かやっておくなどになるんでしょうし、また、そのためには何が必要なのか。この目標設定、逆算、具現化という流れをこれからもやっていくんだろうなと思います。

そして、なぜそうやって目標を立てて、次のゴールを目指していくのか。これはね、気持ちイイから。楽しいから。それしかないんですよね(笑)。

今回も『OUT』の撮影が終わって飲んだ酒のおいしいこと。そして編集を終えて飲んだ酒の染みわたること。それを味わうために、日々の積み重ねをしているんだと思います。

大きな家に住みたいとか良い服が着たいとか、本当にそんな思いは今何もないんです。ただ、家族ができて、娘に借金を残すようなことをしちゃいけないなとか、やりたいと思ったことをやらせてあげたいなとか、そういう欲はできました。でも、自分はユニクロのTシャツで十二分ですし、好きなことをできるように積み重ねていく。そこに尽力したいと思っています。

相方と一緒にお笑いでも挑戦し続けたい

あと、映画とは違った道でひとつあるのは、相方の庄司(智春)と小さな小屋でもいいからアメリカで英語でネタをやる。そして、現地のお客さんを笑わせる。これはやりたいですね。

笑いというシビアなところで喜んでもらう。そのためにはアメリカの文化を知る。まず英語を勉強する。そういう積み重ねをしてウケたら、その後飲む酒はさぞかし美味しいだろう。そう思うんです。

もちろんお笑いですから、思いっきりスベる危険性もありますけど(笑)、そうやって次の楽しみを見つけていく。そのために準備をする。そうやって歳をとっていけたら、自分としては最高ですね。
■品川祐(しながわ・ひろし)
1972年4月26日生まれ。東京都出身。NSC東京校1期生。1995年、同期の庄司智春とお笑いコンビ「品川庄司」を結成する。品川ヒロシ名義で小説『ドロップ』『漫才ギャング』などを執筆。また、映画『ドロップ』(2008年)、『漫才ギャング』(2011年)、『サンブンノイチ』(2014年)、『Zアイランド』(2015年)では同名義で監督を務める。11月17日公開の映画『OUT』でも監督、脚本を担当。同作は累計発行部数650万部を突破する同名漫画を実写化したもの。出演は倉悠貴、醍醐虎汰朗、水上恒司、與那城奨、与田祐希ら。『OUT』公式ビジュアルブックも発売中。さらに、来年、ゾンビ映画『Among the Dead』をアメリカで撮影予定。



中西 正男=文
東洋経済オンライン=記事提供

SHARE

次の記事を読み込んでいます。