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2023.11.25

ファッション

時代を作ったナイキ「エア マックス 95」は、なにがそんなに人々を惹きつけるのか?

※記事内のアイテム写真の一部は、過去のオーシャンズアーカイブからのイメージ写真であり、現在は販売されていない可能性があります。

※記事内のアイテム写真の一部は、過去のオーシャンズアーカイブからのイメージ写真であり、現在は販売されていない可能性があります。


ナイキのシューズは、一流のアスリートからもファッション感度の高い人達からも愛される存在だ。

なかでも1987年から続くエア マックスシリーズはスタート当初から、最先端テクノロジーと斬新な構造&ビジュアルで絶大な人気を博し、頻繁にニューモデルも生み出されてきた。

特に1995年に登場した「エア マックス 95」は、ヒールパートに加え前足部のエアユニットも可視化し、独特なグラデーションデザインも相まって多くの人々を魅了してきた。

そんな名作の魅力について、改めて掘り下げたい。

【写真10点】「エア マックス 95の魅力」を写真でチェック

ナイキのハイテクスニーカー、エア マックス 95



エア マックス 95は、1995年にナイキが発売したランニングシューズだ。同作を語るならば、まずは原点となる一足に触れておくべきだろう。

プロダクトデザイナー、ティンカー・ハットフィールド氏が’87年に生み出した、“エアの可視化”を念頭におく「マックスエアクッショニングソール」を搭載した「エア マックス 1」だ。

エア マックス 1の画期的な性能とビジュアルにより、スニーカー市場に大きな衝撃を与えたエア マックスシリーズだが、その8年後、ヒールパートだけでなく前足部のエアユニットまで可視化した「エア マックス 95」によってさらなるセンセーションを巻き起こす。

要因のひとつに挙げられるのは、当時のナイキの若手デザイナー、セルジオ・ロザーノ氏が考案したグラデーションデザイン。

人体解剖学の本からインスピレーションを受け、人の皮膚や筋肉や肋骨をイメージしたデザインへ落とし込んだエア マックス 95は発売直後から大きな反響を呼び、入手困難となった。

その熱気たるや、数十万円というプレミア価格で取り引きされるほど。あまりに手に入らないため、“エア マックス狩り”という現象まで生み出した。

今では、リメイクや復刻モデルがリリースされ、その熱が一過性のものでないことを改めて印象付けている。


人気の理由は?

エア マックス 95がある種の社会現象を引き起こすほどに人々を惹きつけたのは、これまでに類を見ない近未来的なビジュアルが、当時の人々の心を強く揺さぶったからであることは想像に難くない。

それが、機能面との相乗効果によりビッグムーブメントを生み出した。

エアクッションの存在をさらに強調した独特のデザイン



エア マックスは1987年のデビュー以来、頻繁にニューモデルを発売しているが、その度ごとにエアバッグが少しずつ大きくなっている。

大きくなったエアバッグをヒールパートから見えるようにした構造=「ビジブルエアユニット」に加え、前足部のエアユニットまで可視化したデザインこそエア マックス 95の特筆すべき点なのだ。

遠目からでもエアクッションの存在を認識することはできるが、実は足の裏から見えるところもミソである。

快適な履き心地を提供するエアクッション


エア マックス 95に搭載されているエアユニットは、見た目だけでなく機能的にも優れている。

航空宇宙エンジニアのフランク・ルディ氏による独創的なアイデアから生まれたエアクッションシステムが高い衝撃吸収性と反発性を実現。

さらには、足首までフォローするヒールカップがしっかりと足の動きをサポートしてくれる。それらが優れた安定性と快適な履き心地を提供するのだ。

未来的なグラデーションアッパー


1990年にナイキに入社したセルシオ・ロザーノ氏がエア マックス 95のデザインを担当。彼はグランドキャニオンの地層のようなグラデーションのスケッチに、解剖学の本からイメージした肋骨や筋肉を重ね合わせた。

発売直後は「イモ虫みたい!?」という声もあったようだが、既存のスニーカーデザインに風穴を開ける斬新さが評価され、瞬く間に大ブレイク!

年月が経過しても復刻モデルが出る度にエア マックス 95が話題になるのは、ひとえにこのグラデーションアッパーによるところも大きいと言えるだろう。


エア マックス 95の人気カラー

エア マックス 95にはさまざまなカラーリングが展開されている。ここでは、定番&今季の注目カラーについてをおさらい。

イエローグラデ



エア マックス 95のファーストカラーであるイエローグラデは、昔も今も高い人気を誇る。アッパーのグレーがソールに近づくに連れて濃くなっていき、ブラックのミッドソールで終結。

それをネオンイエローが脚色するというカラーリングは時を経ても色褪せない。

ホワイト×ホワイト

オールホワイトは、無味無臭のカラー特性ゆえどんなファッションスタイルにもケンカすることなくすんなり馴染んでくれる。

画期的な編み構造によるメッシュアッパーが、優れた通気性を生むと共にフィット感も向上。動きの自由を足元から支える。

ブラック×ブラック



イエロー、パープル、ブルー、レッド。おそらくエア マックス 95をイメージした際に思い浮かぶカラーはきっと主にこの4色かもしれない。だからこそ、馴染み深い色であっても潔く黒一色で仕上げられたこちらは逆に新鮮に映る。

その佇まいは実にクールで端正。歳を重ねた大人も胸を張って足を通せる。

ブラック×ゴールド



スニーカーはやはりカジュアルさが先行する。それが絶妙に抑えられたのがこのカラーパレット。引き締め役のブラックとラグジュアリー感が香るゴールド。

両者の相乗効果により、足元にエレガントさすら漂う。

「エア マックス 97」との違いは?



エア マックス 95の人気を受け、その2年後に直系のモデルが登場する。それが、「エア マックス 97」。

直系ではあるものの、新幹線にインスパイアされたシルエット、水の波紋をイメージしたアッパーデザイン、そしてソールのほぼ全体を覆うフルレングスビジブルエアが特徴の一足は、エア マックス 95とはまた違った魅力のデザインで、こちらもいまだに根強い人気を誇る。


まとめ

可視化したエアユニットをヒールだけでなく前足部にも設け、さらにナイキの若きデザイナー、セルジオ・ロザーノ氏が生み出したグラデーションアッパーによって有機的かつ近未来的なビジュアルを纏った傑作、エア マックス 95。

その存在感は、優れた機能性&デザイン性とともに、世代を超えて今なお衰え知らずである。

POW-DER=文

※記事内のアイテム写真の一部は、過去のオーシャンズアーカイブからのイメージ写真であり、現在は販売されていない可能性があります。

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