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育てながら着続けたい贅沢仕様のウールパーカー
「ティースペックギア」

寒河江の老舗ニットメーカー「佐藤繊維」のブランド「&LAINE(アンドレヌ)」とのダブルネーム。

寒河江の老舗ニットメーカー「佐藤繊維」のブランド「&LAINE(アンドレヌ)」とのダブルネーム。


続いて紹介するのは、オーシャンズでもお馴染みで、ファッション誌やアウトドア誌、CMからテレビの企画まで、幅広いメディアで活躍するスタイリスト・平 健一さんが立ち上げた「ティースペックギア(T SPEC GEAR)」。

「ティースペック」とは、軍隊が品質を認めた御用達道具に付けられる「ミルスペック」をもじったもので、“平のお眼鏡に適ったギア”という意味を持つ。

幅広いジャンルを手掛ける彼ならではな、ファッションとアウトドアのいいところを融合させたラインナップは各所で話題を呼んでいる。

「ウールスウェットフーディ」4万9500円/ティースペックギア(tspecgear.theshop.jp)

「ウールスウェットフーディ」4万9500円/ティースペックギア(tspecgear.theshop.jp


2021年4月のローンチ以降、特に力を入れているのがウール製品の展開だ。

平さんは、自身の出身地である山形県の中でも、昔から紡績技術の高さに定評のある寒河江市に注目。世界中のトップメゾンがこぞってオーダーをかける老舗「佐藤繊維」とタッグを組み、糸作りから編み上げまで、すべての生産工程をメイド・イン・ジャパンで行うことにこだわっている。

180cm、Lサイズ着用で、ご覧のサイズ感。

180cm、Lサイズ着用で、ご覧のサイズ感。


中でも、自身のパーカー好きが高じて企画したのが、こちらの「ウールスウェットフーディ」。

「ビッグサイズとシンプル」をキーワードに、たっぷりとした今っぽいシルエットなのにメリノウール製という、これまでありそうでなかった(生地がもったいないので誰もやらなかったのかも?)贅沢なパーカーに仕上げていることが最大の魅力だろう。

ウルグアイ産のノンミュールジングウールを原料とした糸を使用。ふくらみ感、軽さ、暖かみを併せ持ち、アウターにうってつけ。

ウルグアイ産のノンミュールジングウールを原料とした糸を使用。ふくらみ感、軽さ、暖かみを併せ持ち、アウターにうってつけ。


気になる生地は、ダブルフェイス仕様。表地には上質なメリノウールをこれでもかと贅沢に使う。裏地にはオーガニックコットンを使い分けることで、スウェットのような風合いを出している。

毛玉が出にくい加工がされているので、通常のニットとは異なり、アウトドアでも気兼ねなく着ることができる。自宅で手洗いすることも可能。洗えば洗うほど出てくる風合いを楽しみつつ、長く育てていきたい1着だ。

ウールに+αの快適性を加える
「イルローロ」

アスリート向けのスポーツウェアを展開する会社が母体となってスタートした。

アスリート向けのスポーツウェアを展開する会社が母体となってスタートした。


3つ目は、英語で大笑いを意味する「イルローロ(ILLLOLO)」。

ブランド名には、環境の変化の激しいアウトドアにおいても、常に身につけた人々が笑顔でいられるように、との思いが込められている。

「ライトウェイトウールフリースジェケット」3万8500円/イルローロ(イオンスポーツ 0794-83-2100)

「ライトウェイトウールフリースジェケット」3万8500円/イルローロ(イオンスポーツ 0794-83-2100)


イルローロの特徴は、厳選されたオーストラリア産の高品質なメリノウールをベースに、高い機能性を加える特殊な編み方を採用していること。

例えば、ウールと化繊の長所を最大限に活かしたハイブリッドウール「AXIO」や、裏起毛+摩擦発熱テクノロジーを搭載した独自繊維「SOKUDAN」など、ウェアの用途に合わせてウールに+αの機能を持たせた生地を使い分けている。

アンダーシャツやソックス、ニットキャップなど、さまざまなウール製品を展開している。

アンダーシャツやソックス、ニットキャップなど、さまざまなウール製品を展開している。


機能的なアンダーウェアやソックスのラインナップも魅力的だが、ここではメリノウールで作られた「ライトウェイトウールフリースジェケット」をピックアップしたい。

表地は毛玉になりにくく、それでいて風合いを損なわない絶妙な毛足の長さのウール地。ウールの表地は火の粉が飛んでも穴が空きにくく、焚き火に強いという利点もある。

裏地には再生ポリエステルを配し、ウール特有の抗菌防臭効果に吸汗吸湿性を加え、長時間着続けてもストレスを感じさせない快適性も確保している。

つまり、天然繊維と再生繊維のいいところどりな組み合わせが環境にも優しい、ハイブリッドジャケットなのだ。

袖を通すと、化繊のフリースとは全く違う、羊毛のナチュラルで柔らかな温かさが感じられる

袖を通すと、化繊のフリースとは全く違う、羊毛のナチュラルで柔らかな温かさが感じられる


ちなみに、ポリエステル製のフリースウェアはすっかり冬の定番だが、実はフリースとはもともと、羊毛(ウール)の塊を指す言葉であることはご存知だろうか。

マイクロプラスチック問題が叫ばれて久しいが、生分解可能な天然繊維・メリノウール製のフリースジャケットは、まさに「リアルフリース」と呼ぶにふさわしい。


自然環境問題に対する意識の高まりと共に、ウールを使ったウェアが見直され始めている。ウールを選ぶユーザーが増えているのは、ただ環境に優しいからというだけではなく、ウール特有の快適さを一度体験すると手放せなくなるからだろう。

まずは、化学繊維にはない独特な着心地を体感してみていただきたい。

池田圭=取材・文 矢島慎一=写真

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