「Camp Gear Note」とは…… ここ数年、アウトドア業界では環境に配慮した「脱・〇〇」なモノづくりが大きなムーブメントとなっている。
素材で言えば、化学繊維の製造・加工方法が見直されると同時に、環境に優しい天然繊維に再びスポットライトが当たり始めている。
ウールも環境に優しい天然繊維として、需要が高まっている素材のひとつだ。日本国内でも、そんなウールをメインに取り扱うアウトドアブランドが急増中。
中でも注目したい、個性的な3ブランドをピックアップしてみよう。
【写真11点】「ウール使いが上手な最新ジャパンブランド」の詳細写真をチェック 放浪者の必要が生んだ高機能ソックス
「ハイカートラッシュ」
他にはないカラーの組み合わせも魅力。
まず紹介したいのが、「ハイカートラッシュ(HIKER TRASH)」。
このブランド名は、アメリカの長距離トレイルを数カ月にも渡って歩き続け、ゴミ(トラッシュ)のように汚れてクタクタになったハイカーたちを指す褒め言葉が由来となっている。
彼らにとって歩くことは、気合を入れて登山に出かけるというよりも、もはや日常生活の一部。ハイカートラッシュは、そんな自由気ままな放浪生活に求められるギアを具現化するブランドである。
「ゼロデイ”ハイク トレック クルー”」3190円/ハイカートラッシュ(ジャーミネイション 0745-43-9420)
例えば、アメリカの3大トレイルのひとつ「コンチネンタル・ディバイド・トレイル」の総距離は5100kmにも及ぶ。この気が遠くなるほど長い距離を快適に歩き抜くには、機能的で丈夫なソックスが必要不可欠だ。
そこで、彼らが導き出した最適解は、天然の抗菌作用、そして適度な保温性と吸放湿性を持つ天然素材・メリノウールを使うこと。
定番モデル「ゼロデイ”ハイク トレック クルー”」は、防縮メリノウール糸とナイロン糸を一緒に編むことで、ウールの弱点である耐久性(耐摩耗性)を大幅に改善している。
使い勝手の良い厚みとパイルの配置。
生地は分厚過ぎない中厚手で、通常よりもゆったりと編まれているので、程良いフィット感を備えている。
裏返してみると、つま先から踵までしっかりパイル編みされており、極端に寒い雪山でなければ、街からアウトドアアクティビティまで通年使える汎用性の高さも備えている。
また、カカトのホールにカラビナを通せば、バックパックに吊るして干しながら歩けるのもポイント。開発チームがアメリカのロングトレイルを歩きながら製品の改良を繰り返すなかで、現地のハイカーがカカトにナイフで穴を開けているのを見て、思いついたアイディアだそうだ。
まさに放浪者の必要が生んだ、放浪者のための高機能ソックスなのである。
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