多様化に応じた“選べるクラウン”
昨年既に発売を開始したクラウン クロスオーバーを筆頭に、発表された4スタイルの新型クラウン。驚きを持って向かられた16代目だが、4モデルともに共通する特徴は、その革新的なデザインだろう。
多様化する価値観に応じて、これまでのセダンスタイルだけでなく、腰高に構えるSUVライクなスタイルを加えて、アクティブな印象も強まった。開発には、特に若い世代の声を積極的に取り入れることで、モダンなスタイルを構築。
ときに、従来のプレッシング技術では対応できない曲面なども、開発陣の妥協ない姿勢を貫き実現化されたエピソードなどもあり、いかにデザインに力を注いだかがわかる。
まずは、簡単に4モデルを紹介したい。
昨年、最初に登場したのが、SUVとセダンを融合した尻下がりのファストバックスタイルが特徴的な「クロスオーバー」。バイトーンのカラーリングも新鮮だ。その斬新さを見れば、トヨタが真っ先に「クラウン、変わったぞ」と世間に知らしめたい意欲作であることがわかる。
クラウン(クロスオーバー)。全長4930×全幅1840×全高1540mm 435万円〜/トヨタ自動車 お客様相談センター 0800-700-7700
同じくSUVライクなルックスなのだが、全長を短めに取りつつヒップポイントを高めてグラマラスな表情をつけた外観と、走りを追求した個性派が「スポーツ」。
クラウン(スポーツ)。全長4720×全幅1880×全高1565mm 590万円〜/トヨタ自動車 お客様相談センター 0800-700-7700
また、ワゴン型SUVとして後席をフルフラットにできる積載力が自慢の「エステート」も加わり、都合3種類のアクティブカーが加わっている。
クラウン(エステート)。全長4930×全幅1880×全高1620mm(※開発目標値のため変更になる可能性あり)/トヨタ自動車 お客様相談センター 0800-700-7700
もちろん、クラウンの伝統ともいえる王道の「セダン」もラインナップ。SUV系3モデルの開発によって生まれた、研ぎ澄まされたデザインコードを活かしながら、静粛性やゆとりの居住性などで極上の乗り心地を提供する。
クラウン(セダン)。全長5030×全幅1890×全高1470mm(※開発目標値のため変更の可能性あり)/トヨタ自動車 お客様相談センター 0800-700-7700
非常に多彩な顔ぶれに、「あれ? これがクラウン?」と思う人もいるかもしれない。が、この多様性こそが新しい「クラウン」の真髄。
このうちのいずれかを「自分のクラウン」と感じられたなら、それは「あなたのフラッグシップ」をキーワードに掲げて開発されたことと無関係ではない。つまりは、こうした多様化戦略により、自分のライフスタイルに応じたクラウンを選ぶことができるというわけだ。
ここでは、グラマラスなフォルムと腰高なリアビューが特徴の第2弾「クラウン スポーツ」にスポットを当てたい。
スポーツSUVに位置付けられたこちらは、走りも追求。従来のクラウンが実現してきたエレガンスとスポーティを両得すべく、あらゆる角度から走行性能を検証。俊敏、動く楽しさ、意のまま、軽快さ、を感じられるような味付けに。
運転の楽しさがダイレクトに感じられ“荷物や家族を運ぶ”クルマ以上のことをこのビークルには感じることができる。
ドライブモードは「ECO」「NORMAL」「SPORT」「CUSTOM」の4種類。
それでいて、ハッチバック式で開閉する荷室は、充実の容量で397ℓ。広さのアレンジが利く6:4分割可倒式のリヤシートを倒せば、“運ぶ”点でも申し分はない。
なんだか、想像していたクラウン像とは異なるものかもしれないが、今やこれこそがクラウン。「あなたのフラッグシップ」の意味がややはっきりと輪郭を帯びてきたのではないだろうか。
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