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――筋肉は、何もしないと衰えていきますか?

筋肉は「鍛える」か「失われる」かの二者択一です。鍛えなければ衰えていきます。筋肉の成長は①筋細胞の数、②筋線維の直径、③筋線維の長さを増加させることによって起こすことができます。

一度減ってしまった筋細胞の数を増加させることはできませんが、筋線維の肥大や長さを延長させることによって、筋肉を発達させることは可能。高齢のボディビルダーもいらっしゃいますし、筋生理学的には何歳になっても筋肉を発達させることは可能なのです。

中年期以降には、筋トレを運動習慣として持ち、トレーニング後に筋肉の回復と成長に十分な糖質とタンパク質、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素といった材料を摂取し、回復と成長を行う時間(睡眠)を十分にとることが、筋力の維持、改善だけでなく、健康寿命をのばすためにも必要です。

――筋トレで、大人はどんな体を目指すべき?

プロアスリートの体型を目指す必要はありませんが、高齢期を迎えるまでは、アスリートのような筋肉があって、体脂肪率の低い体型を目指しても良いと思います。

ただ痩せている方、脂肪量が少ない方は健康リスクが高く、標準体重の方よりも平均寿命が短いと言われますから、体格指数BMI【BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)】で18.5以上25未満の標準範囲に設定を。

55歳を超える頃からは、少し皮下脂肪を蓄えるくらいが良いでしょう。脂肪は悪者扱いされがちですが、長寿ホルモンなどを分泌しますし、健康寿命をのばすという観点では役立ちます。

――今からトレーニングしたら、筋肉はすぐ作れるもの?

残念ながら、筋肉はそう簡単にはつきません。筋肉づくり=「漆を塗るような作業」と私はよく表現するんですが、そんな緻密で時間もかかる作業なんです。そのため筋肉づくりで一番大事な要素は、継続。

また、関節が硬いと筋力でカバーしないといけませんから、機能的な体を作るという意味では、筋トレと一緒にストレッチもセットで行うのがおすすめです。




気軽に筋トレできる、24時間フィットネスが流行るのは当然なのかもしれない。男性ホルモンが減少しがちな今、時間はかかるかもしれないが、筋トレの成果は必ず出る。とにかく続けてみよう!

アントレース・荒木奈々(メディア・ビュー)=取材・文

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