連載「漫画、般若。」とは…… 連載第2回は、あの般若がまさかの女子高生漫画をピックアップ。
「俺もこんなスクールライフがよかった……」と羨望の三白眼を向けたのは、高校生たちの青春を描いた『スキップとローファー』だ!
※以下、『スキップとローファー』全9巻のネタバレあり。
「俺もこんなスクールライフがよかったな……」
今回、僕が紹介するのは
『スキップとローファー』(※)です。来ましたね〜、来ました(笑)。
まだ知らない人がいるなら、今すぐ読んだ方がいいです。マジで。気持ちが洗われますよ。
心の洗濯です。
ざっくり言うと、
岩倉美津未ちゃんっていう地方出身の女の子が東京の高校に入学して、
複雑な人間関係や恋愛を経験していくっていうストーリーですね。
(※)「月刊アフタヌーン」で連載中の高松美咲による漫画。現在の最新刊は9巻。テレビアニメ化もされ、第20回中国アニメ・マンガ金龍賞では、日本アニメ作品としては初の「海外アニメ賞」を受賞。
この漫画の何たるかを表現するには言葉を慎重に選ばなきゃいけないし、読まないと伝わらないところがたくさんあります。
でも、
すごくいいんですよ、本当に。とにかく、ものすごく面白い。
俺のスクールライフとはまるで違いますね。全然違います。
俺もこういうスクールライフがよかったな〜……。
繊細な高校生たちの心情を描く青春コメディ
表紙に描かれているのが主人公の岩倉美津未と、学年一のイケメンで人気者の志摩聡介。高校の入学式当日に2人が出会う場面から物語は始まる。
美津未ちゃんの他にクラスメイトが何人か出てくるんだけど、ピュアであるが故にずるかったり、誰かを好きな気持ちが深いがゆえに怖がったり……。
そういう
繊細で臆病な高校生たちの心情を丁寧に汲み取っています。だからこそ美しいんですよね。
自分に置き換えたときに、
「もし俺だったら、この気持ちに気づけるかな」って考えさせられる場面も多い。大味な漫画じゃないのは確かです。
美津未は
同級生が8人しかいない石川県の過疎地で育って、その天然キャラのまま都会にぶっ込んできます(笑)。
将来は官僚を目指すくらい頭がいいんだけど、抜けてるところもあって、そういう美津未を中心に周りが影響を受けていくんですね。
人が気付けないところとか、人になかなか言いにくいことを美津未は真っ直ぐに言うんですよ。それって簡単にはできないことじゃないですか。思っていても口に出せないみたいな。
この漫画の魅力はそこかなって思います。俺はやっぱり美津未が好きですね。
2/2