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年間約3億円を売り上げる「12/JU-NI」のSNSコミュニケーション



現在12/JU-NIは、年間売り上げ約3億円を突破している。開発者の多胡さんに他社商品との違いについて尋ねると意外な答えが返ってきた。

「もちろん、いいシャンプーなんですけど、特別というか、特殊なシャンプーじゃないと私は思っているんです」。

その言葉のワケは、アミノ酸系界面活性剤やコラーゲンなどペプチド系原料を使ったシャンプー・コンディショナーの最適解を真摯に見つけにいけば、“こんな感じ”に行き着くのではないか、良心的なものを追求すれば、自分のほかにも作れる開発者はいるのではないか、と言うのだ。

そんな12/JU-NIだが、SNSで紹介されると、リプライがやまず、毎日のように応援の言葉や質問が届くようになった。当時からTwitter(現X)の担当をしていた鹿嶋さんは、そのすべてに目を通し返信し続けている。

「DMやリプライとかはできるだけ全部返しています。直接リプライを返す会社って珍しいじゃないですか。これは海外のD2Cとかに倣ってやったところがあるんですけど、海外の化粧品ブランドはユーザーとの距離が近い。

日本ではあまりそういう化粧品会社がなかったんですけど、ただのSNS広告ではなく、いろんなコミュニケーションが生まれる場所として考えてます。

ユーザーのみなさまの声を直接聞けることは、その後の商品企画でもとても大きな力になっています。SNSの活用法を見つけた感じです」。

普通のことを、とことん真面目に、やれることを全部やる。ヒットの裏にあったことは小難しいマーケティング論ではなかった。


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