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まず、イギリス軍が流した説は、本当は「アントシアニンが豊富なブルーベリー」ではなく「ビタミンAが豊富なニンジン」でした。この説は当時、世界的にも支持されており、各国で「ニンジンを食べよう」キャンペーンが張られていたといいます。

この時点で「ブルーベリーは目にいい」説は覆されてしまうのですが、話はこれで終わりません。さらには「ビタミンAが目にいい」というのも、実はイギリスが当時の敵国・ドイツに対して用いたかく乱作戦だったという説があります。

イギリス空軍が強かったのは、戦闘機に夜間レーダーを搭載していたから。これが歴史の真実です。強さの秘密は食べ物ではなく最新テクノロジーであり、「◯◯を食べると目がよくなる」という説自体が、戦時中に作戦としてバラまかれたエセ情報だったわけです。

ただし、「ブルーベリーは目にいい」という説に、まったく根拠がないわけでもありません。「ニンジンは目にいい」も同様です。

ブルーベリーに多く含まれるアントシアニンには疲労軽減効果があるとされていますし、ニンジンに多く含まれるビタミンAが欠乏すると、視力が低下するということも立証されています。

したがって、アントシアニンには目の疲れの軽減、ビタミンAには栄養不足による視力低下の予防の効果が、ある程度期待できます。その意味に限って言えば、「目にいい」と見なしていいでしょう。

「ルテイン」はどうなのか?

近年では「ルテイン」という栄養素も「目にいい」として注目を浴びていますが、やはり視力回復にはつながりません。ルテインに期待できるのは、加齢と共に発症リスクが高くなる「黄斑変性」の予防です。

黄斑は眼球内部の網膜の中心部にあり、そのまた中心(中心窩)には、ものを見るために重要な視細胞が集中しています。この視細胞を構成する栄養素がルテインと「ゼアキサンチン」です。

これらの栄養素が40代を超えて徐々に減少すると、やがて、ものがゆがんで見える、視野の中心が暗くなる、視野が欠ける、視力が著しく低下するなどの症状が出る「黄斑変性」という目の病気になります。

したがって「黄斑変性を予防する」という限定的な意味ならば、ルテインは、ある程度、「目にいい」といえます。ルテインよりは知名度が低いようですが、ゼアキサンチンという成分にも同様の効果があるとされています。

とはいっても、ルテイン単独ではなく、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛などを複合的に摂取しているところにルテインをプラスすると、黄斑変性の予防に一定の効果が期待できるというのが世界的な通説です。


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