▶︎すべての写真を見る ブラジル生まれで、現在は日本に帰化したビーチサッカー選手の茂怜羅オズさん。
オズさんに生まれ育ったリオ・デ・ジャネイロのビーチについて、その魅力と特徴を伺った。
リオっ子にとっては海こそが人生
子供の頃、週末の遊び場はビーチだった。朝早くに家を出ると夜まで帰らない。
向かうのは歩いて5分のコパカパーナビーチ。そこでサッカーをしたり海水浴をしたり、大道芸人のパフォーマンスに魅入ったり。行き交う人を見ているだけで楽しく、どこからかサンバのリズムが流れてくるなど陽気でオープンな雰囲気が心地良かった。
今では日本に帰化し、所属する東京ヴェルディBSや、監督も務める日本代表で活躍するビーチサッカー選手の茂怜羅オズさんだが、母国はブラジル。大西洋に面するリオ・デ・ジャネイロ(以下、リオ)に生まれ、イパネマやレブロンなど美しいシースケープを望むビーチを身近に育った。
なかでもコパカパーナビーチのある海岸線は隣接するビーチを含めて4kmにも及び、真っ白い砂浜にはビーチサッカー用のゴール、ビーチバレーボール用のネット、トレーニング用の器具が常設。
それぞれのスポーツやワークアウトに興じるローカルの姿が日常的にあり、また遊歩道ではジョギングをする人、透明度の高いブルーの海ではボディサーフィンを楽しむ人がいるなど、とてもヘルシーな光景が広がっているという。
「海に近い街なのでリオには“海で遊ぼう”というローカルカルチャーがあります。
週末になれば友達や家族同士で食料を持ち寄りバーベキューをするといった光景が見られますし、潮風を感じながらリラックスし、気の置けない人たちと屈託のない時間を楽しみ、日が暮れてきたらライトアップされていく夜景を眺める。海では多くのお金を使わなくても豊かな時間を過ごせるんです」。
リオっ子はビーチピープルとでもいうべき海遊びの達人で、大人も子供もビーチにいる。
サッカーも彼らの人生には欠かせず、ボールがあればリフティングを始め、人が集えば常設のゴールを使ってゲームが始まる。仲間とボールを蹴るのは楽しく、相手チームに負ければ悔しさが募る。
気候は常夏だから冬でも心地良く、ときに訪れるストームで海が荒れれば自然の畏怖を知る。
彼らにとっては海こそが人生。ドイツのチームに請われ20歳でブラジルを離れるまで、茂怜羅さんの日々もまた、海とともにあった。
2/4