いつか営利目的ではない、人のためになる事業を手掛けたい
一般的に社長、しかもIT系企業ともなると“数字を重視するドライな人柄”というイメージが強いが、高橋の場合は意外にも人情系。仕事の原動力となっていることも、売り上げや利益は二の次。
「弊社には社員が20人くらいいて、各社員には家族があって、みんなそれぞれ家族を養っていかなければならないわけですから、そんなみんなのために頑張らなくてはいけないという、その気持ちだけです。
経営者という立場上『やっぱり大変でしょう?』と聞かれることがよくありますが、自分が経験している苦労なんて些末なこと。それを乗り越えられなければ家族や社員を筆頭に、大切な人たちを守ることなんてできませんから」。
そんな高橋が抱く大人の男の理想像は、人のために動ける人。
「他人のために行動ができる人に憧れます。そういう意味では、上埜さんは尊敬しています。営利目的ではなく、一匹でも多くの犬を助けたいという純粋な気持ちからカフェを経営しているわけですから。
プライベートの時間も削って犬の面倒を見るって、なかなかできることではないです。僕は自分以外のことでここまでできない。
自分で会社を経営して従業員の面倒を見ている立場としては、やっぱりお金のことを考えないわけにはいきませんから。でもいつか、少しでもそういう人に近づきたいです」。
10年後の夢は、自然に囲まれて過ごすこと。
「先ほどの家族旅行の話ではないですが、海や山などの近くで過ごしたいと思っています。幸いなことに、我々の業界はネットの回線さえつながっていれば都市部で生活をする必要はないですから。
会社として今のビジネスに加えて、営利目的ではない別の業態も手掛けていることが理想です」。
そしてインタビューは無事終了。雑談のさなか、高橋が料理にハマっていることが判明した。
「週末はたいていキッチンに立っています。なかでもパスタが得意で、家族からの評判も上々です。例えばトマトソースを作るときはトマトそのものを濾すところから始めるなど、こだわって作っています。
家族から『美味しい! 』とか『また作って』と言われるのがめっちゃうれしくて、そのひとことが俺の料理心に火をつけるというか。誰かのために料理を振る舞うことが、今いちばん気持ちいいかも(笑)」。
誰かのために行動できる男になりたいという思いは、既に萌芽していた。それは家族に愛情いっぱいの料理を振る舞うというかたちで。
高橋生弥の10問10答
Q1. 最近うれしかったことは?
家族旅行。
Q2. 毎朝のルーティーンは?
コーヒーを飲む。
Q3. 今秋行ってみたい場所は?
国内の温泉。
Q4. 最近絶望したことは?
納車されたばかりの車を傷つけられたこと。
Q5. 今いちばん仲良くなりたい人は?
大谷翔平。
Q6. 健康のために我慢していることは?
我慢しないこと。
Q7. 宝物は?
家族+愛犬のテン。
Q8. 人生の岐路に立った際にすべきことは?
妻に相談。
Q9. 生まれ変わったら何になりたい?
自分。
Q10. 最近買った自分へのご褒美は?
「テンダーロイン」のホースシューリング。
株式会社アドサンク CEO 高橋生弥●1977年生まれ。神奈川県出身。Web広告代理店に入社しコアメンバーとして、営業・広告運用・経営企画等、幅広い業務に従事する。同僚だった現取締役とともに、2008年に株式会社アドサンクを設立。代表取締役社長に就任して現在にいたる。