頭の中だけでシミュレーションしただけでは、行動できない
「年に4回、自主的にライフラインを切って、家族みんなで訓練してみてください。そうすれば年々、防災スキルが上がっていきます。
準備しておくことが自信になって、いざというとき慌てずに済むし、判断も冷静にできる。これだけ災害が多く起きている昨今です。『被災は非日常なんだから、起こったらとにかく我慢するしかない』とか、そういう段階ではないと思います」。
“不安な人は準備ができてない。準備ができてない人は練習ができてない”。これが防災のプロとして長く活動する辻さんの礎になっている。
「国際災害レスキューナースになりたての頃、心肺停止の患者さんが運ばれてきたときに、ガクガク震えて動けなかったんです。そのとき先輩に言われたのが、『頭の中だけでシミュレーションしているから動けないんだよ』ということ。
ようするに、自分にとって都合のいい条件でしか考えていなかったわけです」。
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