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2023.10.13

日産からついに登場!車中泊バン「キャラバン マイルーム」の“お部屋時間”が徹底的にこだわっていた


写真はベッドを跳ね上げて壁に取り付けられる、オプションの折りたたみ式ベッド仕様。

日産「キャラバン マイルーム」。写真はベッドを跳ね上げて壁に取り付けられる仕様。


これだけキャンプブームなのに、車中泊ができるメーカー純正のキャンピングカーって意外と少ない。

そんな中ついに、日産が人気の商用バン「キャラバン」をベースに、純正の車中泊仕様車をリリースしてくれた。

それが「キャラバン マイルーム」だ。
 
【写真10点】初の純正車中泊バン「キャラバン マイルーム」を写真でチェック


ふたりの旅に最適な“動くマイルーム”

ベースは「キャラバングランドプレミアムGX」。

ベースは「キャラバングランドプレミアムGX」。


扱いやすい4ナンバーサイズのキャラバンで、前席と後席の2列を備えた乗車定員5人仕様。車中泊できるのは2名までだ。

というのも日産によれば、キャンピングカーの最大ユーザー層は夫婦やパートナーのふたりなんだそう。だから無理にポップアップルーフなどを備えてプラス2名分のベッドスペースまで設けなかったのだろう。

自然の中でも“マイルーム”を。

自然の中でも“マイルーム”を。


キャラバン マイルーム最大の特徴は、ウッディな内装だ。壁や天井・床に木目調素材があしらわれた和モダンなインテリアになっている。

まるで馴染みのある自宅のリビングをそのまま車内に移したような、落ち着きのある内装はさすが日産、キャンピングカービルダーでも出来るところは少ないのではないだろうか。

写真のボディカラーはマイルーム専用のサンドベージュ/ホワイトの2トーンカラー。他にミッドナイトブラック、ピュアホワイトパール、ステルスグレーがある・タイヤサイズは195/80/R15とやや肉厚で、黒の鉄チンホイールをはく。

写真のボディカラーはマイルーム専用のサンドベージュ/ホワイトの2トーンカラー。他にミッドナイトブラック、ピュアホワイトパール、ステルスグレーがある・タイヤサイズは195/80/R15とやや肉厚で、黒の鉄チンホイールをはく。


そんなウッディな内装をたっぷりと楽しめるようにしたセカンドシートも、“技術の日産”らしいこだわりの作りになっている。

走行中は進行方向に向いて座り、停車中は反対に向けることができるのだが、その切り替え操作がすっごく簡単なのだ。

ベッドを展開して、カーテン&ウッドブラインドを閉めた状態。

こちらはベッドを展開して、カーテン&ウッドブラインドを閉めた状態。


走行中は座面だった部分を引き上げて背もたれにし、背もたれだった部分を倒して座面にするだけ。シート全体を回転させたり付け替えるよりずっと楽だ。

さらに、セカンドシートの前向きと後ろ向きの場合でわざわざ背もたれや座面部のクッション特性を変えて、走行中は安定した姿勢で、停車中はもう少しリラックスできるようにしてあるというから快適性へのこだわりも申し分ない。

2列目シートを後ろに向けたアレンジ。

2列目シートを後ろに向けたアレンジ。


また、車中泊に欠かせないベッドは、乗員がパーツを配置して設置する「折りたたみ式」と、壁に収納されたベッドを引き出すだけの「跳ね上げ式」の2種類があるが、「跳ね上げ式」のほうも一工夫施されている。

壁から床に向かって引きだした際、ストラップを引くとゆっくりとベッドが降りてくる。この「ゆっくり」が絶妙で、ストラップを引いた人がその場から離れる時間が十分生まれるので、体や手を挟まれずに済むという老若男女にやさしい設計なのだ。


いろんな過ごし方ができる、まさに“部屋”

スクリーンも備えられるので、ふたりで足をベッドに乗せたりして、寛ぎながら動画を見ることもできる。

ふたりで足を伸ばして、プロジェクターを備えれば寛ぎながら動画を見ることもできる。


シートの向きを変えられたり、ベッドを簡単に展開できたりすることで、2人が向き合ってソファに座り食事をしたり、一方はパソコンを開いて仕事をして、もう一人はベッドに寝転がって本を読んだりするなど、各自が思い思いに時間を過ごせる。

そう、ただ寝るだけじゃなく、さまざまに“過ごせる”のだ。まさに「マイルーム」のごとく、キャラバンを使えるってわけ。

思いついたら景色の望む海や湖畔など、好きな場所まで走らせて、自宅とは違う“お部屋時間”を楽しむことができそうだ。

ポータブル電源を取り付けて、その電気をつかうことも可能。写真は日産が同社のEV「リーフ」のバッテリーを再生利用したポータブル電源。

ポータブル電源を取り付けて、その電気をつかうことも可能。写真は日産が同社のEV「リーフ」のバッテリーを再生利用したポータブル電源。


もちろん“お部屋”で寛ぐならコーヒーを入れる電気ポットや、パソコンを動かすコンセントは欠かせない。

そこも車内に100V/1500Wのコンセントを備えることができるほか、外部電源の入力口やポータブルバッテリーからの供給口が用意されているので抜かりない。

外部電力の入力口は運転席ドアのそばにある。ここなら電源ケーブルを挿したことを忘れる心配がなさそう。

外部電力の入力口は運転席ドアのそばにある。ここなら電源ケーブルを挿したことを忘れる心配もなさそう。


2Lガソリンと2.4Lディーゼルターボがあり、ディーゼル車は4WDも選べる。

当初は先のコンセントや車内カーテン、ウッドブラインド、スポット照明付きの木目調ルーフパネル、ロールスクリーン、ルーフサイド間接照明を標準装備した豪華仕様の「ローンチエディション」のみの注文受付が開始され、車両本体価格は595万8700円〜714万100円。

24年夏頃からオプション類を好みに応じて選べる、いわば標準モデルも販売される予定だ。

写真は折りたたみ式ベッド仕様。テーブルの位置を変えれば、こんなアレンジも可能。

写真は折りたたみ式ベッド仕様。ベッドをベンチのようにたたみテーブルの位置を変えれば、こんなアレンジも可能だ。


かつてポップアップルーフを備えた国産キャンピングバンはあったけれど、まるで自宅の部屋のようにさまざまに過ごせる内装にこだわったメーカー純正の車中泊バンは、恐らく日本で初めてと言っていいかもしれない。

「ローンチエディション」は10月11日から注文の受付が始まっているが、住宅のように内覧会が開かれるようだから、同社のウェブサイトやSNSでぜひチェックしてこだわりの“お部屋”をその目で確認してほしい。

籠島康弘=文

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