「失敗から学ぶ移住術」とは……
今年6月に家族でハワイ移住を実現した伊東一家。
仕事探し、
ビザ取得、
家選び、と数々の試練を乗り越えてきた彼らが、次に直面したのが、娘・りこちゃんの学校選びだ。
第4回は、小学校転入までのストーリーをお届けする。
伊東浩邦●1984年生まれ、神奈川県出身。新卒で銀行へ入行後、海外移住の夢を叶えるため転身を決意。2017年、神奈川県川崎市に「讃岐うどん 蓮」をオープン。2023年5月に店をクローズし、現在は家族3人でハワイへ移住。
小学校入学前にちょっとしたトラブル
こんにちは、伊東浩邦です。今回は、娘・りこの小学校転入をテーマにお話したいと思います。
6月15日にハワイへ移住し、翌日無事に家が決まって引っ越し。喜びも束の間、りこがアメリカで新一年生を迎えるので、小学校入学の手続きをしないといけない状況でした。
6月16日、家の目の前にある小学校を訪問してみました。日本の小学校で言う「職員室(※アメリカではオフィス)」へ行くと職員の方がいたので、入学を希望している旨を伝えました。入学願書を渡され、必要事項を記入すると「後日メールで詳細を送ります」とのことでした。
数日後、小学校からメールが届き、そこには「健康診断とツベルクリン検査をやってください。検査結果によって判断します」と書かれていました。さらに「健康診断は後日提出でいいが、ツベルクリン反応検査は陰性証明をもらわない限り受け入れられない」とも……。アメリカで健康診断と検査を受ける方法がわからなかったので少々困惑しましたが、勤め先の
佐藤社長に小児科を紹介してもらうことができました。
しかし、保険に加入していないため、検査の受診ができないことが発覚。ご近所さんがいろいろな病院を調べてくれて、健康保険に加入していなくても、保健所であれば検査を受けられることがわかりました。
6月22日、保健所から検査結果が届いたので、小学校へ。書類を渡すと「また連絡します」と言われましたが、帰宅後すぐに入学許可の連絡が来ました。
しかし、ハワイの学校は8月から新学期が始まるのでそれまではお休みとなってしまい、ワクワクしていた娘が少し落胆していました。
英語を母国語としない子供向けの補講授業が充実
ハワイの小学校には「ELクラス」という英語を母国語としない子供向けの補講授業があります。娘も対象となると伺ったので6月22日から受講させてもらうことになりました。
前日からワクワクが止まらない娘、「どんなことするのかな」「お友達できるかな」などかなり興奮しているようでした。
親としては、言葉がわからないから一人ぼっちにならないかとか、慣れない環境で私たちと離れて過ごすことに大丈夫かなという心配がありましたが、下校した娘の表情をみると我々の心配は不要だったなと気付かされました。
「今日どうだった?」と聞くと「お友達ができて公園で遊ぶ約束したの! だから一緒に来て〜」というので、公園に向かうとお友達が待っていました。
ハワイのビーチにて。
ELクラスは6月30日まで。その後、8月6日まで学校がお休みだったので近所の同級生と遊んだり、日本人の子供たちが遊んでいるとすぐにお友達になって帰ってきたり。コミュニケーション能力の高さに感心しました。
ほかにはビーチや図書館、美術館に行ったりして過ごしていました。
保険加入にはハワイ版マイナンバーカードが必須
7月24日、日本で言うマイナンバーカードの「ソーシャルセキュリティーナンバー」が届きました。娘の分は16歳になると届くそうです。これをきっかけに健康保険や免許証の申請など、いろいろなことができるようになりました。それに合わせて車を佐藤社長のお知り合いから安く譲っていただき、名義変更と車両保険の手続きをしました。
その頃、娘は習い事を始めました。ハワイといえば、フラダンス。週一回の練習ですが、入ってすぐにアラモアナショッピングセンターのステージに出させていもらいました。「またやりたい」と本人は大満足して帰ってきました。
「発表会へ向けて毎日、家で練習をしていました。日に日に上達していく姿が頼もしいです」。
そんなこんなで、ようやく8月7日に初登校の日を迎えました。日本を出るときに、「仕事、住まいの確保、そして娘の学校生活を固めること」を第一関門としていたので、この日を無事に迎えられたことに心から感謝しました。
「毎週金曜は私服デー。なので娘もおしゃれを楽しんでいます!」。
娘のランドセルは妻の曽祖父と曾祖母が買ってくれたものだったので、移住をきっかけにオブジェになるのは避けたかったんです。娘も同じことを思っていたのか、「ランドセルを背負って通学する」と言い出しました。ハワイでは珍しいらしく、みんなから「なにそれ!かわいい!」と注目されてました。
毎日、学校での出来事やお友達の話をしてくれるのが本当にうれしいです。学校のいちばん好きなところは「美味しいランチと牛乳」だといいます。牛乳はイチゴ味だそうで、「牛乳を飲むために学校に行きたい」と笑ってました。
どんな理由であれ、毎日学校に通ってくれたらそれでいい。今後、いろいろなことを学んでいく娘の成長が楽しみです。
伊東流、海外移住の教訓その④
・学校選び=居住選び(学区内に住めば公立小学校はほぼ入学できる)
・生活環境を早く整える
・提出物(学校関係の書類や医師の健康診断書類など)はできるだけ早めに出す
・情報収集(学校関係の情報)は大事
・感謝が大切