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2023.10.17

かぞく

雨の日も真冬でもアウトドア! 幸福度の高いデンマークにみる子育て環境とサステナ玩具


当記事は「ボーネルンド公式ウェブサイト」の提供記事です。元記事はこちら

あそびを通じて誰もが自分らしく

「おままごとが好きな男の子がいれば、車やサッカーに夢中になる女の子がいても当然。共働き家庭が多いデンマークでは、外で働くことも料理や掃除などの家事も等しく家族の役割として認識されています。

子ども時代にあそび体験で得た価値観は、大人になってからも引き継がれると考えられています」(ディナさん)。
お話を聞いた方

駐日デンマーク王国大使館勤務

ディナ・オーマン・ハンセンさん
コペンハーゲン出身。公使参事官として2011年デンマーク外務省に入省。2021年より、駐日デンマーク王国大使館の公使参事官に。3児の母。

コペンハーゲン在住ライター
さわひろあやさん
デンマーク公立図書館を経て、児童書専門店に勤務。訳書に『デンマーク発ジェンダー・ステレオタイプから自由になる子育て』(ノアゴー著・ヘウレーカ刊)。2児の母。

からだを思い切り動かすあそび

ボーネルンドの手掛ける親子の室内あそび場「キドキド」でおなじみのサイバーホイールも、デンマーク生まれ。子どもが楽しく自発的に体を動かせるようにと開発されました。

ボーネルンドの手掛ける親子の室内あそび場「キドキド」でおなじみのサイバーホイールも、デンマーク生まれ。子どもが楽しく自発的に体を動かせるようにと開発されました。


「デンマークでは、外で体を動かすことをとても大切にしています。厳しい寒さの真冬でも、新生児をベビーカーに乗せて屋外でお昼寝させているのは当たり前の光景。外気に触れながらお昼寝をすると免疫力が高まるとも言われています。

新鮮な空気に触れ、自然の中に身を置くこと、そしてアクティブに体を動かすことは、健やかな心と体を養うために欠かせません。

さらに、子どもにとっては、そのなかでのあそび体験も大切な時間です。外で体を動かしながら、健やかに育っていくのですね。そういった面からも、自転車は人気の乗り物です。

自転車は楽しく運動できる身近な道具であり、生活の一部。子どもや荷物をすっぽり乗せられる大きなカゴ付きの自転車も増えてきました。親子揃ってみんなで自転車移動というのもよくあるシーンです。

子どもはみな小さいうちから、三輪車や補助輪付きの自転車に親しんでいます」(ディナさん)。

「『Frisk luft(新鮮な空気)』という言葉は、デンマークのことを語るうえでは外せないキーワードです。

こちらでは、締め切った部屋で長時間過ごしていると、自然と誰かが『空気を入れ替えよう』と言い出し、冬でも窓を開けます。『散歩に行って新鮮な空気に触れない?』と誘われることもしばしばです。

夏が短く、曇りや強風、小雨の日も多いデンマークの天候。北欧の言い伝えに『悪い天気はない、悪い服装があるだけだ』というものがありますが、保育園でも通常の着替え以外に、長靴と、しっかりした素材で上下に分かれた雨具を置いておくように言われていました。

少々天気が悪くても、それをきちんとしのげる服装さえ準備していれば、散歩に出かけたり、外で遊んだりできるのです。息子は森のようちえんへ通っていたので、天気にかかわらず外で遊び、お迎え時にはドロドロになっている、ということもしょっちゅうでした。

外に出て、体をしっかり動かすという意識が大人も子どもも当たり前のように根付いているのを感じます」(さわひろさん)。


 
[TOPIC 01]森のようちえんって?
1950年代にデンマークで生まれた「森のようちえん」では、森や野山といった屋外でほとんどの時間を過ごします。子どもたちは、雨や風、暑さ寒さといった天候や季節に左右されず、ありのままの環境を体験。

自然の中で、夢中で何かを探したり、自分たちで新しいあそびを考えたりしながら、生きる力や考える力など、あらゆることをたくましく身につけていきます。

「焚き火で料理をしたり、木に触れながら自分たちが遊んでいる遊具やお絵描きの紙が生まれた背景を知ったりすることは、資源や循環を体で学べる最高の機会です。

ときには鶏を育て、食べるという経験も。わが家の長男も、森のようちえんに通っていたんですよ」(ディナさん)。
 



[TOPIC 02]
デンマークは自転車先進国
「10キロ程度なら自転車移動の人もたくさん。私の夫も、約7キロ先の職場まで自転車で通っていますし、小雨でもみな気にせず、当たり前のように走らせています。

自転車は運動にもなるうえ、エコの観点からも注目されていますが、なにより移動もスムーズで、バスに乗るより早く目的地に到着できるメリットも。これは自転車専用道路のおかげです。交通量の多い道を走ることなく、安全に、快適に走ることができるのです。

私が住むコペンハーゲン市では、温室効果ガス排出量ゼロのカーボンニュートラル都市を目指しており、自転車用のインフラ整備がさらに積極的に進められています」(さわひろさん)。

自転車に親しむファーストステップが三輪車。なかでもウィンザー社の「ペリカンデザイン三輪車」は多くのデンマークの幼稚園で愛されています。
 



[TOPIC 03]
これもデンマーク生まれ!
日本の公園でもすっかりおなじみのカラフルなスプリング遊具。子どものあそびを科学的に研究し、成長や発達に合わせた遊具を開発するコンパン社が、世界で初めて生み出したものです。

日本にやってきたのは1970年代のこと。それまでの日本の遊具は、ジャングルジムのように鉄パイプを組み合わせたものが中心でした。

対してコンパン社の遊具はカラフルなボードをふんだんに用い、子どもの目にも認識しやすく、登ったり揺らしたり、安全にチャレンジできる構造が特徴です。


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