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優れた道具は10年、20年と付き合える

「この灯油ストーブはもう20年以上使っています。武井バーナーというメーカーのもので、いちばん大きいサイズの製品です」。

武井バーナーは昭和3年創業の老舗。少人数で受注生産を手掛け、修理も自社で行っているという。



山根さんが見せてくれるキャンプ道具は、このストーブに限らずどれも美しい。ペトロマックスの灯油ランタン。ベストメイドの斧。コッパーケトルの銅製ケトル。そして、いずれも丁寧に使い込まれている。



「僕にとっては機能もデザインも等しく重要。美しい道具を使うと、何か別の世界が現れるような気がします。腕時計も同じだと思うんです。アルピニストのような美しい腕時計をアウトドアで使うと、気分がぐっと盛り上がるはず」。

そして「古いモノ、古くなったモノは逆に価値が下がらない」とも言う。



山根さんはF/CE.のデザイナーであると同時に、ミュージシャンでもある。バンド「toe」のベーシストとして20年以上音楽活動を続けている。

「例えば楽器。60年代とかそれよりも古いフェンダーのエレキベースはとても高額で取り引きされているんです。古くなると木のボディが枯れて、いい音が鳴ると言われています。

車で言えば、2年前に手に入れた1972年製のウィネベーゴ。日本に数台しかないというレアな一台と聞いています。

もちろん自分で使い込んできたモノもそうですよね。キャンプ道具も10年、20年使えば得難い味が宿りますから」。



そしてこの「SBDC091」も然りだ。定期的なメンテナンスを行えば、長い年月にわたって付き合えるはず。

使い込むほどに愛着が湧き、その価値はさらに高まっていくというわけだ。
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