ちなみに、あやなぴんさんのベストスコアは87。見事なものです。
一方で、ドラコン(ドライバーの飛距離を競う大会)のツアープロでもある。2019年にはドラコンプロになって初の大会で235ヤードを飛ばし、女性出場者の中で5位に入賞した。
茨城県のボボスカントリークラブで華麗なフォームを見せる。
短大を卒業後に就職した会社で初めてコースに出たものの、その後は長いブランクが空く。しかし、運命的な出会いがあった。
「6年前に、お友達に不動産会社のおじいちゃん社長がいて、彼は重い糖尿病でした。会社も畳んで鬱になりそうなぐらいしょぼくれていたので、何気なくゴルフに連れ出したら、みるみる回復したんです」。
大自然の中で気持ちよく過ごせるゴルフは精神的にも肉体的にもいい。そう悟ったあやなぴんさんは本格的にゴルフを通してみんなをハッピーにしようと決意する。
「なぜか、おじいちゃん、おばあちゃんの知り合いが多いので、彼らを誘って定期的に『あやぴん会』というコンペを毎月開催しています。
メンバーもだんだん増えていって、1回でも休むと『病気かな』『怪我をしたのかな』と心配になるんです。私にとっては人生の大先輩たちの生存確認の場でもあります」。
メンバーの最年長は78歳。
これまで、国内外のゴルフ場でプレイしてきたあやなぴんさん。海外でいちばん好きなコースを聞いてみた。
「インドネシアのラグーナ ゴルフ ビンタンですね。広いのはもちろん、日本にはないような色の海がすぐそこにあって、もう天国みたいな感じ。変なオオトカゲみたいな動物や得体の知れないカラフルな鳥にも会えます」。
伝説のプレイヤー、グレッグ・ノーマンが設計したチャレンジングなコース。
店内に目を戻すとお宝の山だった。
ゴルフ黎明期の頃のクラブとボール。
あやなぴんさん曰く、このようなマーカーのコレクションは他で見たことがないそうだ。
ゴルフを通してボランティアでお年寄りたちの健康を願うあやなぴんさん。そんな彼女を推薦してくれたのは、元ゴルフ雑誌の編集部員で現在はゴルフライターとして活躍する公文裕介さんだ。
「共通の友人がゴルフ女子で、彼女が主催するゴルフコンペのスタッフとしてたまたま出会いました。コンペのスタートから表彰式に至るまでテキパキ動いて指示を出していて、すごいなあと思ったのをよく覚えています。こんな風にゴルフで友達を増やせるのも理想的ですよね」。
ゴルフ仲間でもある公文さんとビールで乾杯。
あやなぴんさん、最近の活動としては海岸でゴミ拾いを兼ねたBBQイベントを開催している。
「ペットボトルやお菓子の袋などのプラごみが多いです。その海岸近くにあるのはお友達が個人で所有している丸太小屋ぐらいで、人が来るような場所じゃないから、どこかから流れ着いたんでしょうね。2日間かけて、きれいに片付けました」。
確かに海水浴客が来るようなスポットではない。
また、先ほどのビールもそうだが、あやなぴんさんは大のお酒好き。お気に入りは横浜の野毛だというから渋い。気に入ったがゆえに、いつの間にか飲み屋事情にかなり詳しくなった。
「個人的なツアーですが、『せんべろ巡りしたい!』という方から、『高級なところも知りたい!』という方まで、さまざまなお店を案内しています。
とっておきの名店も教えてもらった。
「『もつ焼きごえん』という名前で、1000円でもつ煮、おまかせ2本、飲み物が3杯も付いてきます。美味しいのはもちろん、とにかくコスパがすばらしい。
せんべろセット注文で一杯目の飲み物と、ペンギンが2体渡されます。そのペンギンをお店の人に渡して2杯目以降を頼むのです」。
ペンギンを店員に渡してお代わりを注文するというかわいいスタイル。
もうひとつ、ハマっているのは無農薬野菜の栽培。友人の60代経営者の畑を手伝う形で無農薬野菜を育てている。
先日、夏野菜の収穫が終わったばかりだ。
「夏野菜がとくに大好き」とあやなぴんさん。
最後に、これもぜひ書いてほしいと言われたのは保護猫活動。横浜・伊勢佐木町にある「キャットカフェ ミーシス」に足繁く通う日々。ここは、常に里親を募集している店だ。
「いつか保護猫施設を作りたいと思っているぐらい、にゃんにゃんちゃんたちを守りたいと思っています。私の推しはオスの『モグさん』。気難しい性格ですが、その分懐いてくれたときの嬉しさも倍増です」。
保護猫ゆえ正確な年齢は不明だが、「おそらく10歳を超えている」とのこと。
ゴルフ、高齢者、お酒、野菜、猫をこよなく愛するあやなぴんさん。最後に読者へのメッセージをお願いします。
イラストもホールインワン級の上手さ。
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