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こんな二面性なら大歓迎!

この車は、車界のコウモリか!? スノボに行くときには、「4駆だし、最低地上高もたっぷりで悪路に強いので、SUVの仲間です」と主張する。

一方、町場の立体駐車場では、「全高1495mmなのでステーションワゴンの仲間、立駐もOKです」と寝返る。

一般的な立駐は全高1550mm制限が主流だから、駐車場で困ることはない。町駐車でやろうぜ!って、意味不明ですね。言ってみたかっただけです、すみません。

マジメな話、技術の進化とは素晴らしいもので、今や車高の高いSUVでも、傾いたり揺れたりしないで、クールに走るようになった。

けれどもコイツをドライブすると、やっぱり走ることだけを考えたら車高は低いほうがいいな、と実感する。重心が低いから、サスペンションを固めなくても安定するのだ。

だから乗り心地がいいうえに、自然なフィーリングで曲がる。加えて、高速道路で横風にあおられることもないし、空気抵抗が少ないから燃費もいい。物理の法則には逆らえない。

「イソップ物語」 では、鳥にも動物にも嫌われたコウモリは暗い洞窟に追いやられ、誰もいない夜だけ飛ぶようになった。でもこの車は春夏秋冬、昼夜を問わず、あらゆる場面で活躍するでしょう。

モータージャーナリスト
サトータケシ
フリーランスのライター/エディター。まもなく、走行距離9万5000kmの2010年型シトロエンC6が車検の時期だとか。「前回はフロントのショック交換だけで30万円近くかかった」と戦々恐々の様子。


走る楽しさを教えてくれる

かっちりとアシがキマっている。SUV風ないでたちとはウラハラに、そんな第一印象を抱いた。

つまりスポーティな走りが好きな方には絶好のCクラスかも。路面状況のあまりよろしくないカントリーロードをハイペースで移動するような場面(高速道路のインターを降りてゴルフ場へ向かうような道)で、想像以上に楽しい走りを見せてくれるから。

持ち前のアシをフルに活かしたコーナリング姿勢もなかなかのもので “操っているんだぞ!”なんて、ついつい前のめり気分に。

逆に街中をゆっくり流すような場面では多少つっぱった感のある走りが気になった。大きなタイヤと最低地上高を上げたモデルには、できればエアサスペンション、最低でも電子制御ダンパーが必要だ。

もっともステーションワゴンなので荷物を積めばそんな印象も少しは変わるだろうけれど。

Cクラス オールテレインのもうひとつの得意分野として高速クルージングの安定感を挙げておこう。車高を上げて、しかも固定されているにもかかわらず、安心感たっぷりの滑らかな巡航ドライブフィールを味わうことができる。

特に時速100kmを超えたあたりでの気持ち良さは、これぞメルセデスだと思わせた。

モータージャーナリスト
西川 淳
フリーランスの自動車“趣味”ライター。得意分野は、スーパースポーツ、クラシック&ヴィンテージといった趣味車。所有する愛車もフィアット500(古くて可愛いやつ)やロータス エランなど趣味三昧。


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